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『クロノス・カイロス』ヘッラ・ウルッポ監督 × プロデューサー:ミカ・ラッティ × 主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン 映画作りは、砂場遊びのようなもの【Director’s Interview Vol.588】

向かって左から主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン氏、ヘッラ・ウルッポ監督、プロデューサー:ミカ・ラッティ氏

『クロノス・カイロス』ヘッラ・ウルッポ監督 × プロデューサー:ミカ・ラッティ × 主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン 映画作りは、砂場遊びのようなもの【Director’s Interview Vol.588】

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映画作りは、砂場遊びのようなもの



Q:別れや苦悩を描きながらも、2人の男の掛け合いをコミカルに描いたシーンが多かったのも印象的でした。そうした物語のバランス感は、どのように作り上げていったのでしょうか。


ウルッポ:すごく鋭い気づきをしてくださってありがとうございます。人生は決して暗い側面ばかりではなく、遊び心のある瞬間だってあるはずです。関係が終わる時に愚かな振る舞いをしてしまったり、見栄を張ったり、相手より優位に立とうとしたりする。多くの男性にはそうした側面があると私たちは考えていて、それを表現したいと思っていました。


ラッティ:男性の世界は女性の世界よりも単純だと思われがちです。しかし、一人の女性を巡って男性が競い合う時、結局のところ女性こそが結末を決めているようなこともよくあります。男性は自分が主導権を握っているつもりでいても、実際はそうではないのです。


ウルッポ:剣で戦うシーンは、実はトニのアイデアなのです。私たちは二人とも北野武の映画が大好きなのですが、彼の作品には「無意味な瞬間」と私たちが呼んでいるシーンがたくさん出てきます。例えば、『ソナチネ』(93)の登場人物たちが浜辺でぶらぶらしているようなシーン。彼らはただ時間を潰していて、実質的には何も起きていない。本作に散りばめられたコミカルなアイデアの数々は、そこから生まれたものです。


ラッティ:人は危機に直面すると、奇妙な振る舞いをするものです。人生はやがて正しい軌道に戻るのだろうけれど、危機に瀕した人間は実に不思議な生き物なのです。


私たちは、映画作りを一種の砂場遊びのように捉えています。創作を通して人々に安らぎを届けようと思っていますが、根底にある感覚は友人同士で楽しむ砂場遊びみたいなものなのです。


ヤルヴィネン:大人が子供のようにはしゃいでも、何ら問題はないからね。


ウルッポ:大人がはしゃぐという意味では、日本に訪れる多くの人は、『ロスト・イン・トランスレーション』(03)みたいなロマンスを期待しているのだろうけれど、そんなロマンスは一体どこにあるのやら…。


ラッティ:私は妻から「そういうロマンスはあったら困るよ」と言われているから…(笑)。だから私にとってのロマンスは、こうして皆さんと映画への愛を語り合うことですね。



『クロノス・カイロス』


Q:映画館「キノ・ライカ」をアキ・カウリスマキと共同経営しているミカさんが、映画の興行から製作へ乗り出したことにはどのような思いがあるのでしょうか。


ラッティ:映画製作とは、そのプロセスを通じて自分たちの世界を創り上げる行為です。ウルッポはアートやグラフィックデザイン、音楽、映像などを通して独自の世界を築いている。同じように、私も詩人・作家としての執筆を通して世界を築いています。


映画館は、そうやって築かれた世界を体験する場所です。そこには、安らぎを見出したり、誰かと映画について語り合ったりするようなある種のロマンがある。テレビやスマートフォンの画面ではなく、大きなスクリーンで映画の世界を目撃し、同じ時間を過ごすために人々は集うのです。


ウルッポに誘われて本作に参加し、自分の直感によって映画に良い変化を与えることができて、本当に素晴らしい経験をしました。私にも芸術的な側面があり、世界を築くことに喜びを感じます。すべては砂場遊びで、それこそが私が何よりも愛してやまないことなのです。




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