1. CINEMORE(シネモア)
  2. CINEMORE ACADEMY
  3. 「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】
「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】

「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】

PAGES


激変する環境と変わらない本質



Q:機材の進化などで自主制作をめぐる環境は激変したかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。


荒木:本質的な部分は何も変わっていないと思います。もちろん環境や技術は急激にデジタル化し、かつては夢だったVFXやプロ並みのアニメーションがあっという間に作れるようになりました。今年は高校生作品を集めたプログラムをつくったのですが、その映像操作の自由自在さは、本当にすごいです。今後はAIを活用すれば、より思い通りの映像が作れるようになるでしょう。でも結局のところ、「必死に作ったものしか残らない」「人が切実に作ったものしか心には響かない」という点は絶対に変わらないと思います。


Q:自主制作の場合、出演も自分たちでやることが多いですが、演技のレベルは上がってきているのでしょうか。


荒木:上手いです。特に「高校生プログラム」で上映する作品では、同じ高校生がお芝居をしてしますが、これがもう信じられないぐらい上手いです。やっぱり、生まれた時から撮られ慣れている人たちはすごい(笑)。よく「無垢の演技」なんて言いますが、本当にそのままですね。



PFFアワード2026入選 『夏と修羅』監督:川村圭乃 17歳/高知学芸高校 映画研究部/44分


Q:取り扱っているテーマに変化はありますか。


荒木:テーマの根幹も変わっていないと思います。大きく変わったのは「学校で映画を学ぶようになったこと」ですね。昔は「映画監督になりたくても簡単にはなれないから、なんとかして自分で映画を作ろう!」という熱量が原動力でしたが、今は学校のカリキュラムとして、時には評価をする「教師」に向けて映画を作っているケースもあります。そのため、彼らがどこを向いて、誰に向けて作っているのかという意識は、昔よりも多様化しバラバラになっているかもしれません。


Q:熊切和嘉監督の『鬼畜大宴会』(97)や李相日監督の『青~chong~』(99)のような、卒業制作から強烈な作品が生まれた時代とはまた少し異なるのでしょうか。


荒木:彼らは卒業制作といったチャンスを使って自分の作りたいものを作っていて、熱量が並外れている。そこまでの熱量で映画を撮り切る人は、いつの時代も稀有な存在です。





PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. CINEMORE ACADEMY
  3. 「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】