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「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】

「第48回ぴあフィルムフェスティバル2026」ディレクター:荒木啓子 “何かを生み出したい”熱量を肯定し続ける【CINEMORE ACADEMY Vol.51】

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国境も時代も越えて



Q:国内にとどまらず海外への作品展開は以前から積極的に行っていますね。


荒木:海外へは以前から相当な数の作品を、世界各地の映画祭や大学の授業、ときには公開へと紹介しているのですが、今は動画配信もあるので「配信があれば海外展開も楽々だ」と思っていたら、実は国内でしか観られないことが多いんですよね(笑)。ただ、3年前からJAL(日本航空)で機内上映をしていただいているんです。これだとあっという間に国境を越えられます。飛行機の中で初めてPFFの作品を観て、「面白い!」と興味を持ってくれる観客が生まれているのは、本当に素晴らしいこと。さらに今年からはオフィシャルパートナーにも入っていただき、「JAL賞(Soaring Together賞)」も新設されます。


Q:今年のPFFでは、過去の作品を上映するアーカイブプログラムも注目されています。


荒木:国立映画アーカイブでのニュースなどもあり、「フィルム保存」への認知度の低さに危機感を覚えました。それで、我々が過去の作品をどのように保存してきたかを知っていただくために企画してきた、PFFライブラリー企画を拡大しました。タイトルは『「アーカイブ」はタイムマシーン‼︎』です。日本のユニークなアーカイブ活動を紹介します。昔のフィルム作品と今のデジタル作品を見比べると、フォーマットこそ違えど、表現の根底にあるものは驚くほど変わらないことが伝わるはずです。


むしろ、撮影現場でモニターチェックができなかったフィルム時代の方が、演出のエッジが効いていて思い切りが良いと感じる部分すらあります。みんなでモニターチェックしながら合議制で映画を撮るのを、一度やめてみたら面白いかもです。あと、昔の作品に映り込んでいる、例えばかつての渋谷や原宿の街並みを見るだけでも価値がありますよ。


Q:最後の質問です。PFFや映画祭が担うべき役割をどう捉えていますか。


荒木:何かを生み出したい、語りたいという熱は、人間の「業」のようなものであり、絶対に変わらないもの。それを「素晴らしいことだ」と肯定し続けるのが映画祭の最大の役割です。「お金を稼げなくたっていい、やりたいことを表現していいんだ」と確固として言える場所がなければ、人間はひどくつまらないものになってしまいますから。





PFFディレクター:荒木啓子 

1992 年に初めての「PFF 総合ディレクター」として就任以来、無名の若き監督たちによるコンペティション「PFF アワード」の選考、多くのレトロスペクティブ(ミヒャエル・ハネケ、ダグラスサーク、アルトマン、アルドリッチ、ナワポンなど)を含む映画祭の多彩なプログラミング、長編映画製作(PFF プロデュース)、という全てのセクションのディレクションを続けた。そして「ぴあフィルムフェスティバル」の関係監督のみならず、広く、映画を志す若者を、日本国内のみならず海外にも紹介しており、国際映画祭での審査員経験も、世界各国で 20 回以上重ねている。1977 年、日本で最初の映画祭「ぴあフィルムフェスティバル」が始まった。出版社「ぴあ」が始めた、8 ミリフィルムで自主映画を製作する才能ある若者たちを紹介することをメインに据え、同時に、当時シネフィルたちがみたくても観れない映画を紹介する映画祭だった。例えば、フランソワ・トリュフォーやルイス・ブニュエルの完全レトロスペクティブ(トリュフォー来日)、侯孝賢、贾樟柯の初期作品、イ・チャンホ、ぺ・チャンホ監督の作品など、日本で観る機会の少なかった東アジア、東ヨーロッパ、インド、東欧、アフリカの新鋭映画作家の紹介を続けた。それからおよそ半世紀、今も「ぴあフィルムフェスティバル」は、「若い才能の発見と育成」という変わらぬテーマのもと、インディペンデントな活動を続けている。現在では PFF アワードに参加した後にプロの映画監督となったそれらの若者は 200 名を超え、PFF プロデュースの制作映画は 30 作品となった。また、2019 年から PFF は、新たに「大島渚賞」をスタート。1970 年代から PFF を様々にサポートくださった巨匠大島渚監督に続く、世界に羽ばたく才能を顕彰。審査員には、大島渚監督を敬愛する坂本龍一氏と黒沢清監督を迎えている。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成



第48回ぴあフィルムフェスティバル2026


2026年9月18日(金)〜9月26日(土)※月曜休館

会場:国立映画アーカイブ(長瀬記念ホール OZU、小ホール)

住所:東京都中央区京橋3-7-6

主催:一般社団法人PFF、国立映画アーカイブ、公益財団法人 川喜多記念映画文化財団、公益財団法人ユニジャパン


映画祭特設サイト:https://pff.jp/48th/

ぴあフィルムフェスティバル X:https://x.com/pff_award

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