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『我々は宇宙人』門脇康平監督 無機物も有機物も贔屓せず描く 【Director’s Interview Vol.592】

『我々は宇宙人』門脇康平監督 無機物も有機物も贔屓せず描く 【Director’s Interview Vol.592】

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カンヌとアヌシー、映画祭の熱気



Q:自分たちでアニメスタジオを作り少人数でスタートされたそうですが、クリエイティブ以外の部分、スケジュールや予算管理などはどのように進められたのでしょうか。


門脇:スタジオの中に常駐してくれる制作プロデューサーが1人いて、並行してもう1人のプロデューサーが全体のスケジュールも含めて管理する体制でした。その2人に加えて、自分も一緒に特に作画に関わる部分のスケジュールを作っていました。自分で発注内容を考えて組み立てる部分が多かったので、特に作画や背景の発注作りには苦労しました。


Q:制作には丸5年かかったそうですが、その期間は最初から想定されていたのでしょうか。


門脇:最初にすごくざっくり出した期間が3年半だったのですが、あとでそれが「全然違うぞ」とわかり、結局1年半くらい延びました。絵を動かすのが難しかったことと、アニメーターを募集しても全く集まらなかったので、それで延長した部分もあります。


Q:資料にはほぼ5人で描いたと記載があり、驚きました。


門脇:原画メンバーの他、原画協力の方々ともうまく分担しつつ、自分が作画監督を担当することで、効率よく進めることができました。



『我々は宇宙人』©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS


Q:翼と暁太郎の声を担当された、坂東龍汰さんや岡山天音さんも素晴らしいですが、アフレコの演出はどのように進められたのでしょうか。


門脇:子役たちのレコーディングはあれこれテクニック的なことをお願いしていたのですが、坂東さんと岡山さんはプロとしてお芝居ができる方々なので、とにかく思いを伝えて、それを出してもらうというシンプルな感じでした。思いを伝えればそれがどれだけ複雑であっても必ず演じてくれるお2人なので、直球で「こういう思いでお願いします」と伝えていました。


Q:カンヌやアヌシーでも上映されて評価を得られましたが、観客の反応はいかがでしたか。日本との違いなどはありましたか。


門脇:驚きがふたつあって、ひとつ目は、感想は日本のお客さんとほとんど変わらないということ。感動したと言ってもらえるポイントが、日本の試写の時と何も変わらなくて、そこはかなりびっくりしました。海外だからこそ、日本っぽいノリが共感できないこともあるのかなと予想していたのですが、世界中どこに行っても日本と同じように面白がってもらえるんだと。それが分かり嬉しかったですね。


ふたつ目のびっくりは、シアターの雰囲気や上映後の盛り上がり方です。日本のお客さんは上映中に声を出しませんが、カンヌもアヌシーも上映中に声を出すのが当たり前の文化。面白いところがあればみんなで笑うので、「あ、ここ面白いと思ってくれたんだ」と分かりやすい。終わった後のサイン会や写真撮影の熱気もすごくて、映画を見るためにわざわざ遠くから来て、感想を直接喋ってくれて、ビールを奢ってくれたりもする(笑)。このフレンドリーさと熱量、お祭り事として楽しんでいる雰囲気は、日本の映画祭とは全然違うなと。もしかしたら我慢しないで笑っちゃう方が、映画って楽しめるのかもしれないなと。日本でも声出し上映とかできれば嬉しいですね。





監督/企画/脚本:門脇康平

1996年生まれ。アニメーション作家。東京藝術大学デザイン学科卒業後、アニメ制作会社に就職する。その後独立し、主に舞台映像やCM映像、プロダクトPVのディレクション等を経てアニメーション作家になる。実写素材や立体のマテリアルをアニメーションに融合させる独特の映像スタイルによって重厚感のある作品を作り上げる。代表作は、YOASOBI『優しい彗星』Official MusicVideo。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『我々は宇宙人』

大ヒット上映中

配給:TOHO NEXT / NOTHING NEW

©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

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