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60歳になったら監督を辞めるつもりだった『半世界』阪本順治監督【Director’s Interview Vol.19】

60歳になったら監督を辞めるつもりだった『半世界』阪本順治監督【Director’s Interview Vol.19】


阪本流キャスティング



Q:今回の『半世界』も以前に監督された『団地』も、夫婦の距離感やリアリティーをとても強く感じました。キャラクター設定も含めて、その辺はやはり脚本段階で作っていくのでしょうか。


阪本:完全オリジナル脚本の場合は、やはり俳優さんの顔を念頭に置きながら書きますね。特に『団地』の場合は藤山さんとも岸部さんとも旧知の仲でしたしね。お二人ともプライベートで仲がいいんですよ。いつも藤山さんがイヤミ言ってるのを、岸部さんが受け止めてるんだけどね(笑)。だからその丁々発止も含めて、2人に夫婦やってもらうっていうのは、すぐ浮かんだことでしたね。


Q:なるほど。


阪本:今回は稲垣くんに中学生の子どもがいるお父さんを演じてもらうわけですが、当然その相手となる奥さん役も重要となるわけです。「ああ、この夫婦は、ちゃんと恋愛して、いろんな時期を経て、子どもができて、今この状態なんだな」って、映画に映らないその人の履歴まで、全部感じさせてくれる人が来ないと駄目なんですよね。脚本は一緒でも誰がその役を担うかによって、距離感が全然違ってくるんですよ。


 奥さん役をやってくれた池脇千鶴さんくらいの年齢の女優さんって、誰かのお母さんとか、誰かの妻の役が多いんですよ。誰かの何かなんです。1人の女としての映画って、残念ながらそれほど多くはないんです。で、今回も誰かの妻の役ではあるわけです。でも、それを演じる役者が、1人の女性として、あるいは1人の人間としての矜持を持ってやってくれればいいなと。



 池脇千鶴さんには、彼女が泳いできた人生というか、その中で、彼女が持ち得た自尊心みたいなもの、そういうのをぶつけてもらいたいなと思ったんです。それはある意味で「生活感」っていうことになるのかもしれないけどね。


Q:今回も出演者を念頭に置いて書かれていると思いますが、稲垣吾郎さんはじめ、長谷川博己さん、渋川清彦さん、そして池脇千鶴さんと組むのは初めてですよね。


阪本:そうですね、全員初めてですね。


Q:まだ仕事はしたことないけれども、4人を念頭に置きながら脚本書かれたのですか。


阪本:そうです。あの4人は僕の第一希望のままです。


Q:まだお仕事を一緒にしたことない4人と、今回やってみようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。


阪本:池脇さん以外の3人は普段の素の時に会ってるんですよ。稲垣くんは香取慎吾くんの紹介とか、どこかで会って話したりしてて、そのときの印象がそれぞれあるんですよ。長谷川くんは神経質だなって思ったり、渋川くんだって、おっちゃんだけどチャーミングだなとかね。何か印象に残ったものがあって、それが僕の中でタレント名鑑のようにストックされてるんです。




 そうやって1回会った人と仕事するっていうのは、意外に多いんです。実際会ってみないと分かんないってあるじゃないですか。演技が上手い下手も多少は大事ですよ。だけど、素の彼らを見てブラウン管やスクリーンでは感じなかったものを感じたときに、いつかご一緒しようという風につながってくるんですよね。



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