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60歳になったら監督を辞めるつもりだった『半世界』阪本順治監督【Director’s Interview Vol.19】

60歳になったら監督を辞めるつもりだった『半世界』阪本順治監督【Director’s Interview Vol.19】

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大作映画との違い



Q:監督はこれまで、いわゆる大作をいろいろ手掛けられてますが、それらと比べると今回はやや規模が小さいかと思います。そういう時は作品への向き合い方は変わるのでしょうか。


阪本:『人類資金』でグローバリズムを取り扱った時は学習すべきことも多くて、向き合うテーマ性に対して土台作りが必要だったので、意識するものは違いました。


 どんなテーマでも、人間を描くっていうのは必ずあるし、そうするつもりなんだけど、大作や社会性のあるものの場合は大きな世界観みたいなものを構築しないと、人間も生きてこないしね。その葛藤は結構ありますね。『闇の子供たち』(08)にしてもそうだったね。


 今度の『半世界』は、自分の経験が生かせて、自分の近くにヒントはたくさんあるんだけど。そのぶん間口は狭くて、その奥行きをどう作っていけるかっていうことが大事になってくるよね。例えば、人物の造形とか、そういうものが注目されるように演出しなきゃいけない。もっと言うと、本当に細部、みかんのむき方とか食べ方、タオルの巻き方とかね。もういろんなところが、人任せにできなくなってきますね。




Q:確かに夫婦で頭にタオル巻いてましたね(笑)。


阪本:稲垣くんは「こんなことやったことありません」って言ってたけど。やるとすげー似合うんだよ(笑)。



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