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『ポンヌフの恋人』フランス映画史上最大のセットと大ヒットが、レオス・カラックス監督にもたらしたものとは

『ポンヌフの恋人』フランス映画史上最大のセットと大ヒットが、レオス・カラックス監督にもたらしたものとは

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『ポンヌフ』後の二人



 しかし、長きにわたって、無口なカラックスの良い理解者であり続けたエスコフィエであったが、二人はケンカをきっかけに、仲違いしてしまう。様々な理由もあったであろうが、エスコフィエはその後、主な活動場所をアメリカに移すことを決意。ハーモニー・コリン監督『ガンモ』(97)、ガス・ヴァン・サント監督『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)など、カラックスと積み上げた経験を買われたかのように、個性の強い優れた監督とのコラボレーションが続く。


 一方カラックスは、戦友でもあり恋人でもあったビノシュとも別れ、非常に辛い時期だったと想像する。『ポンヌフ』から8年後、異なるカメラマンを迎え、渾身の一作『ポーラX』(99)を完成させるが、難解な印象に観客は戸惑い、評価も興行も苦い結果となった。




 カラックスにとって映画とは人生そのもの、人間関係そのものであった。知らないスタッフと撮影時だけ会って終わったら解散、というプロフェッショナルとして当然なやり方も理解できず、気の合うスタッフが少ないカラックスにとっては、なんでも話せるエスコフィエは決して手放してはいけない重要なパートナーだった。


 その後カラックスは、エスコフィエとの制作を望み、和解する。今度は一緒に作ろうと約束をしたところ、エスコフィエは2003年にロサンゼルスで心臓疾患により急逝してしまう・・・、享年52歳だった。その4年度、『ガンモ』でエスコフィエと組んだことのあるハーモニー・コリン監督が『ミスター・ロンリー』(07)を制作するが、そこには、ドニ・ラヴァン、そしてカラックスも出演するのである。



文:江口航治

映像プロデューサー。広告を主軸に、メディアにこだわらず幅広く活動中。カンヌはじめ国内外広告賞多数受賞し、深田晃司監督『海を駆ける』(18)やSXSWへのVR出展など、様々な制作経験を経たプロデューサーならではの視点で寄稿。「note」でも投稿中。



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作品情報を見る



『ポンヌフの恋人』

ブルーレイ発売中 ¥5,800+税 

発売元:シネマクガフィン

販売元:紀伊國屋書店

(C)1991 STUDIOCANAL-France 2 Cine'ma

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