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『エイリアン』を生み出した男、その名はダン・オバノン
ダン・オバノンと『エイリアン』、その後の関係
リドリー・スコットのもう一つの代表作『ブレードランナー』(1982)もまた、新人脚本家だったハンプトン・ファンチャーがフィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を大幅に脚色して書き上げた、ほとんどオリジナルの脚本がもとになっている。リドリーは35年ぶりの続編『ブレードランナー2049』(2017)でもファンチャーに脚本を依頼し、ファンチャーは自分が生み出した世界のその後を描く機会を得た。
一方、ダン・オバノンは『エイリアン』以降もSF、ホラー、アクション映画の脚本家として活躍し、1985年にはゾンビホラー『バタリアン』で念願の監督デビューを果たす。しかし『エイリアン2』(1986)以降のシリーズには参加することなく、2009年に63歳で亡くなっている。
もしまだオバノンが存命だったとして、現在再びシリーズに復帰したリドリー・スコットの『プロメテウス』や『エイリアン:コヴェナント』どのように観ただろうか。自分が生み出した「エイリアン」の起源が描かれているのを見て、オバノンは複雑な思いを抱えてハリウッドの大看板を見上げていたかも知れない。それとも、『エイリアン』のソリッドなアクションスリラーの要素に先祖返りした『エイリアン:コヴェナント』に、「これだよ!」と膝を打っただろうか。かなわぬ願いだが、オバノン自身の答えを聞いてみたいものである。
文: 村山章
1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。
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