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『ブレードランナー』英国からやってきた男、リドリー・スコットの孤独な闘い
『ブレードランナー』あらすじ
テクノロジーの進化にもかかわらず、随所に廃退の匂う近未来を舞台に、主人公の特殊捜査官リック・デッカードは逃亡した凶悪なレプリ カントを追う。やがて、神秘的な女性との出会いが彼の運命を大きく変えていくとも知らずに…。
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SF超大作『DUNE』に抜擢された新進気鋭の映画監督
1980年、イタリアの超大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスの下で、SF超大作『DUNE』の準備に取り掛かっている男がいた。男の名はリドリー・スコット。前年1979年公開のSFホラー『エイリアン』で、それまで誰も見たことがなかった強烈なインパクトをスクリーンに叩きつけ、その名を世界に轟かせていた新進気鋭の映画監督である。
一方で『DUNE』は製作前からいわく付きの作品だった。もともとは奇才・アレハンドロ・ホドロフスキーの元で製作が進められていたが、資金面等の理由から頓挫。(※ことの顛末は是非『ホドロフスキーのDUNE』を参照してほしい)その後、紆余曲折を経てリドリー・スコットに監督が巡ってくるのであるが、残念ながら『DUNE』がリドリー・スコット監督作品となることはなかった。。製作がうまく進まなかった上に、当時、兄が急逝してしまうという悲劇にも見舞われたリドリーは、あっけなく降板となってしまうのである。
『ブレードランナー』TM & (c)2017 The Blade Runner Partnership. All Rights Reserved.
ちなみに『DUNE』はその後デヴィッド・リンチ監督によって『DUNE/砂の惑星』として何とか公開にこぎつけるが、プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスと揉めに揉めた本作は批評的にも興行的にも惨敗。。大失敗作の汚名を映画史に残すことになってしまう。まさに呪われた作品の『DUNE』であるが、現在何とこの作品のリメイクが始動しているという。しかも監督は『ブレードランナー 2049』を撮り上げたドゥニ・ヴィルヌーヴ!もはや何かの因縁を感じてしまうのは私だけではないだろう。。
話を『ブレードランナー』に戻そう。リドリー・スコットが『DUNE』の準備をしている頃、ハリウッドでも一つの作品が動き出そうとしていた。フィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を元に、脚本家ハンプトン・ファンチャーが一本の脚本を書きあげた。脚本の名前は「デンジャラス・デイズ」。これがまさに映画『ブレード・ランナー』の初期稿であり、作品が産声をあげた瞬間だった。