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『アトミック・ブロンド』シャーリーズ・セロンが邁進する妥協なきフューリー・ロード

『アトミック・ブロンド』シャーリーズ・セロンが邁進する妥協なきフューリー・ロード


スパーリング相手も務めた戦友キアヌの存在



 アクション・コレオグラフィーは細かなワザの積み重ねだ。体得するにはその構成要素をひとつひとつマスターし、最終的にそれらを統合して、ひとつの淀みない流れに仕上げなければならない。それを何度も繰り返して、頭ではなく体に覚えさせて精度を上げていく。そこまでたどり着くには、スタッフから突きつけられる無理難題にも応えねばならないし、何よりも“自分の中の壁”を幾つも超えることが不可欠だ。しかしこの過酷な状況はセロンの闘志にますます火をつけた。そして、彼女の「誰にも負けたくない!」とする負けん気の強さを後押しすることになったのが、他ならぬキアヌ・リーヴスの存在である。


 実はちょうど同じ時期、彼女と20年以上の友人関係にあるキアヌも『ジョン・ウィック』の続編製作(続編はスタエルスキーの単独監督作)のために同じスタジオでトレーニングを始めていたのだ。二人は日々、顔を合わせながら、時に励まし合い、時にライバルのように互いを意識しながら各々の課題をこなしていった。また、練習の過程では二人がスパーリングを行うことも少なくなかった。


 言うまでもなく、アクションの分野でキアヌは先輩にあたる。彼と87 elevenのスタッフたちは前作からの流れですでに気心が知れているし、さらにはリーチやスタエルスキーとは『マトリックス』時代からの付き合いだ。そんな最高のチームがぴったりと呼吸を重ねながら『ジョン・ウィック2』の高難度のアクション振り付けに突入していく姿を横目で見ながら、セロンが心の中で「ぜったい、負けない!」と叫んでいた姿は想像するにあまりある。




 『アトミック・ブロンド』と『ジョン・ウィック2』。この制作期間の重なる二つの革新的アクション映画は、こうやって二人のハリウッド俳優の間に「ライバル/戦友」という絶妙な関係性を育ませていった。もしやこの刺激し合う構図をリーチやスタエルスキーたちがあえて意図的に作り出していたのだとすれば、これは心理面すら見越した彼らならではの見事な「計略」というほかない。



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