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『ポリーナ、私を踊る』目標を探し、アーティストは国境を超えていく

(C)2016 Everybody on Deck - TF1 Droits Audiovisuels - UCG Images - France 2 Cinema

『ポリーナ、私を踊る』目標を探し、アーティストは国境を超えていく

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めぐまれた肉体の才能は軽々と国境を超える



 何かを表現するアーティストが、自分の作品を受け入れてくれる場所、あるいは、より表現活動がやりやすい場所を求めて、この世界のどこかへ移動するのは自然なことだろう。


 とくに言葉の壁があまり支障にならない分野、たとえば美術や音楽、パフォーミング・アーツなどでは、多くのアーティストが生まれ育った土地から異国へと活動の場を移し、新たな表現を開拓している。そのパフォーミング・アーツの分野での軽やかな「越境」を描いたのが、『ポリーナ、私を踊る』だ。


 この作品、「バンド・デシネ(フランスのグラフィック・ノベル=漫画)」を原作にしているという点もユニークだが、主人公のロシア人の少女、ポリーナが、自国の名門であるボリショイ・バレエ団のバレリーナをめざして鍛錬に励むも、オーディションに合格した後、クラシックバレエではないコンテンポラリー・ダンスに自分の将来を見出す。ロシアを離れ、南フランス、ベルギーへと移り住み、本当に表現したいダンスを追い求める姿が描かれていく。



『ポリーナ、私を踊る』(C)2016 Everybody on Deck - TF1 Droits Audiovisuels - UCG Images - France 2 Cinema


 作品を観ると、ポリーナが活動の場を求めて移動する様子が、あまりにも自由で驚くかもしれない。もちろん彼女の決断に反対する両親のエピソードなども描かれるのだが、自分の未来を自分で選ぶ強い信念があってこそ、アーティストとして成長できるのだと、今作は伝えているようだ。今年(2017年)、ダンスファンの間で大きな話題を呼んだドキュメンタリー映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』でも、希代のダンサーであるポルーニンが、祖国ウクライナから英国ロイヤル・バレエ団へと活動の場を移し、さらに自由を求めてさまよう姿が描かれた。


 日本人ダンサーたちの海外での活躍も日々、ニュースなどで報じられており、熊川哲也、吉田都といったロイヤル・バレエ団のプリンシパル(最高位ダンサー)まで登り詰めた才能も、母国にいたままでは花開かなかったかもしれない。


 『ポリーナ、私を踊る』では、移動することで達成させるアーティストの目標が、鮮やかに表現されているのだ。



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