撮影で使われたガムは10万個!?
メインキャラクターがとにかくガムを噛んでばかりで、撮影中に使われたガムを総計すると約10万個だった……など、さまざまな「伝説」を残した映画『グリース』。伝説といえば、アメリカのエンタメ界のレジェンドがゲストスターとして登場したのも話題になった。
あのエルヴィス・プレスリーにも、特別出演で1曲歌うことを頼まれたが、残念ながら断ったそうだ。ちなみに劇中の曲「私はサンドラ・ディー」に、あこがれのスターとしてエルヴィスの名が連呼される(オリジナルでは、その名前が『理由なき反抗』(55)などのサル・ミネオだったが、映画の前に彼が殺害されたことで変更された)。
『グリース』TM & (c) 2018 Paramount Pictures. GREASE™ is a trademark of Paramount Pictures.
1978年6月、満を持して全米公開された『グリース』は、『ジョーズ』(75)、『スター・ウォーズ』(77)に次ぐ、当時の全米興収第3位という、驚異的な成功を収めた。徹頭徹尾、ミュージカルの楽しさ、明るさを追求した『グリース』だが、いま改めて観ると、ラストのナンバー「ウィ・ゴー・トゥゲザー」に、「もう2度と戻ってこない時代」への惜別も感じられたりもする。
このノスタルジー感こそ、オリジナルの舞台版が意図したことであり、時代を超えて、作品の根本のテーマは生き続けている気もする。
文:斉藤博昭
1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。
『グリース』
4K ULTRA HD + Blu-rayセット: 5,990 円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
TM & (c) 2018 Paramount Pictures. GREASE™ is a trademark of Paramount Pictures.
(c)Photofest / Getty Images