1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. グリース
  4. 『グリース』アイドル的スターの誕生と、大ヒット舞台ミュージカルの映画化が重なった奇跡
『グリース』アイドル的スターの誕生と、大ヒット舞台ミュージカルの映画化が重なった奇跡

(c)Photofest / Getty Images

『グリース』アイドル的スターの誕生と、大ヒット舞台ミュージカルの映画化が重なった奇跡

PAGES


『グリース』あらすじ

避暑地で知り合い恋に落ちた高校生のダニーとサンディは、夏の終りとともに離ればなれになるが、彼の通う高校に彼女が転校してきて偶然に再会。だが実は、ダニーは不良グループのリーダー、一方サンディはお金持ちのお嬢様だった。突然の再会に喜ぶサンディ、本当はダニーもサンディとの再会を喜んでいるのだが、仲間の手前つれない素振りをするしかない。そんなダニーに怒ったサンディは…。


Index


小劇場からブロードウェイ進出で驚異のロングラン



 日本を含め、世界的な「ディスコ」ブームを起こした、1977年の『サタデー・ナイト・フィーバー』。「ステイン・アライブ」などビージーズのサウンドトラックはもちろん、主人公トニーを演じたジョン・トラボルタの、それまでのスターのイメージを壊すような、いい意味での「個性的」なルックスが強烈な印象を与えた。


 1976年の『キャリー』にもメインキャストの一人として出演していたトラボルタだが、それほど目立っていたわけではないので、『サタデー・ナイト・フィーバー』での登場は、文字どおり、センセーショナルであった。


『サタデー・ナイト・フィーバー』予告


 そのトラボルタが早くも、翌1978年に「踊るスター」として主演を飾ったのが『グリース』である。『サタデー・ナイト・フィーバー』での白いスーツに襟の大きな黒いシャツもインパクト大だったが、黒い革ジャンに、タイトルどおりグリースでピチピチに固めた髪という、『グリース』の1950年代ファッションは、『サタデー・ナイト・フィーバー』とのギャップもあって、当時、斬新だった。


 正統派イケメンというわけではないうえに、『サタデー・ナイト・フィーバー』に続いての衝撃的なまでの「腰」の動きで、トラボルタの人気は日本でもアイドル的にヒートアップする。


 オリジナルのミュージカル「グリース」は、1971年6月、シカゴの小劇場で幕を開けた。この作品に目をつけたプロデューサーが翌年、NYのオフ・ブロードウェイで「グリース」を上演。たちまち評判となり、ブロードウェイで3388回というロングランを記録。1977年には日本でも上演された。


『グリース』予告


 ここまで人気を呼んだので、ミュージカルに詳しい人にとって『グリース』の映画化は「当然」の流れでもあった。一方で『ウエスト・サイド物語』(61)のように、1960年代、ブロードウェイからの映画化で傑作が続いたブームは、1970年代、大ヒット作が減少していたため、『グリース』は久しぶりの期待作でもあったのだ。


 では、映画『グリース』は、舞台版の忠実な再現なのか? これがかなり違っている。オリジナルの舞台版は主人公のダニーやサンディー、仲間たちが同窓会に集まって、卒業の年を回顧するという設定。作品全体にノスタルジーが漂っている。一方の映画版は、『避暑地の出来事』(59)にオマージュを捧げた海辺のオープニングから、主人公たちのハイスクール時代のみにフォーカス。1950年代を舞台にした、徹底的に明るい青春映画というノリを貫く。



PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. グリース
  4. 『グリース』アイドル的スターの誕生と、大ヒット舞台ミュージカルの映画化が重なった奇跡