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家に帰ること。傑作『マイ・プライベート・アイダホ』が示す大切なテーマ ※注!ネタバレ含みます。

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家に帰ること。傑作『マイ・プライベート・アイダホ』が示す大切なテーマ ※注!ネタバレ含みます。

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リヴァー・フェニックスがもたらしたもの



 リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスという2大スターの貢献も忘れるわけにはいかない。『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』(90)に続いての共演となった彼らは、いずれも当時はAランクのスターではなかったが、それでも若い観客に支持され、主演作もヒットを飛ばす売り出し中の俳優。そんな時期に男娼というリスキーな役を演じることを、フェニックスはエージェントに反対されたという。しかし脚本に惚れ込んだ彼はエージェントに内緒で出演し、ノーギャラでこの仕事に取り組んだ。


 フェニックスが演じたマイクは男娼であるだけでなく、親と生き別れ、孤独を募らせ、なおかつ極度の緊張状態により眠気が誘発されるナルコレプシー病という難病を患っている。一般的な社会では目を伏せられ、見捨てられ、忘れ去られるアウトサイダーだ。フェニックスは完全に役に入り込み、撮影に臨んだ。その演技が高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞するなど、高い評価を得る。



(c)Photofest / Getty Images


 先に述べたように撮影現場は自由な雰囲気に満ちており、誰もがアイデアを出すことができた。フェニックスは、物語の重要な場面の撮影に当たり、ある提案をする。旅の途中、マイクとスコットが焚火を挟む場面だ。マイクはスコットに愛を告白するが、当初の脚本ではマイクがゲイである、という設定はなかった。それはフェニックスの提案によって加えられたアイデアだった。見る者に強烈なインパクトをあたえた切ない名場面は、こうして作られたのだ。


 対するスコットは、マイクと友情で結ばれているものの何もかもが彼とは対照的だ。裕福な家の出。社交的な性格で自己アピールが上手く、多くの人を魅了する。ネガティブな点があるとすれば、父親への反抗心くらいだろう。ともすればイヤミに映りかねない金持ちキャラだが、リーヴスはこれを血の通った人物として体現し、同時にフェニックスとの相性良さをうかがわせた。



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