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『月の輝く夜に』「地獄の業火に焼かれようとも愛し合うことが望みだ」名セリフの宝庫となった傑作

『月の輝く夜に』「地獄の業火に焼かれようとも愛し合うことが望みだ」名セリフの宝庫となった傑作

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強烈に心を掴むというより、いつまでも忘れられない作品



 強烈に脳裏に焼き付いて離れないシーンがあるわけでもない。人生がガラリと変わるテーマに圧倒されるわけでもない。それでも全体の「ムード」で、ずっと忘れがたい宝物になる映画がある。多くの人から、そんな評判を聞く作品のひとつが、1987年の『月の輝く夜に』だ。


 NYに暮らすイタリア系家族。夫を亡くし、37歳になる娘のロレッタ(シェール)は、幼なじみのジョニー(ダニー・アイエロ)に求婚され、なんとなく承諾してしまう。危篤の母を見舞うためイタリアのシチリア島へ向かったジョニー。その間にロレッタは、ジョニーの仲違いしている弟ロニー(ニコラス・ケイジ)に結婚式に出てもらうように頼みに行く。しかし出会いをきっかけに、ロレッタとロニーは燃え上がるような恋をしてしまう……という物語。そこにイタリア系家族それぞれのドラマが絶妙に絡んでいく。



 第60回アカデミー賞で作品賞など6部門にノミネート。主演女優賞、助演女優賞、脚本賞を受賞したので「傑作」なのは間違いないが、この映画が観る人の心をつかむのは、アカデミー賞の結果が示すとおり、脚本の巧みさにあるだろう。もちろん、ヒロインが経験したことのない恋にとまどう本筋の展開も絶妙なのだが、この脚本が最も印象を残すのは、名セリフの数々である。それもちょっとヒネリが効いたものばかり。そのヒネリが、物語や人間関係のスパイスとしてここまで機能している作品も珍しい。


 脚本を手がけたのは、ジョン・パトリック・シャンリー。2008年の『ダウト~あるカトリック学校で~』でも、自身の書いた戯曲(ピューリツァー賞やトニー賞を受賞)を映画用に作り変え、アカデミー賞脚色賞にノミネートされている。基本的に戯曲が多い作家なので、セリフへの強いこだわりがあるのかもしれない。



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