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『幸せのちから』原題の誤表記に込められた意味とは?

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ウィル・スミスのもう1つの方向性



 終盤まで、これでもかというくらいに辛い展開が続き、どうしてこうも不幸や不運が続くものかと切なくなる。クリス自身あまりにドジなため、自業自得な部分は少しある。しかし、自分ではどうにも出来ないような、行き詰まりの状況に陥る場面は多い。それでも本人は努力を続けているからこそ、とても切ない。また、そんな状況でも揺るがない父と息子の関係に胸が熱くなる。


 そんなクリス父子を演じたのが、ウィル・スミスと彼の実の息子ジェイデン・スミスである。実の子が息子役を演じたことが功を奏したのか、本作でのウィル・スミスはいつも以上に自然な笑顔や涙が出ており、良い表情を見せている。ちなみに、実際のクリスの息子は2歳ぐらいであったが、ジェイデン・スミスが演じることで、5歳に書き換えられている。




 また本作でのウィル・スミスはよく走る。いつもはエイリアンなどの敵と戦いながら美しい走りを見せてくれるが、今回はタクシーの運転手から逃げたり、盗難犯を追いかけるために走ることとなる。また、いつもは我々を楽しませ癒してくれるウィル・スミスだが、今回ばかりは観客がウィル・スミスを癒してあげたいと思ってしまい、いつもとは方向性が違っていたようにも思う。


アクション映画やコミカルな演技が得意な印象が強いウィル・スミス。しかし、こういったドラマ作品でも観客を獲得出来る稀有な役者でもあり、それが彼の強みである。ウィル・スミスは本作で、2度目となるアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。


 監督はイタリア出身のガブリエレ・ムッチーノ。アメリカで初の作品となる。『最後のキス』(01)にて、2002年サンダンス映画祭のワールドシネマ部門の観客賞を受賞、アメリカでも注目され本作の監督に就任した。ウィル・スミスとは、その後『7つの贈り物』(08)でもタッグを組んでいる。



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