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『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』スピルバーグが“父親”に託した決意とは?

TM & (C) 1989, 2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』スピルバーグが“父親”に託した決意とは?

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父親役に初代ジェームズ・ボンドを起用



 そもそも『インディ・ジョーンズ』シリーズの始まりは、1977年のハワイまで遡る。当時スピルバーグは『未知との遭遇』の撮影を終えて、ハワイでバカンスを楽しんでいたが、そこに『スター・ウォーズ』(77)を作り終えたばかりのジョージ・ルーカスがやってくる。その頃は「SF映画は当たらない」というジンクスがあり、興行的に失敗することを恐れてハワイに逃げ込んできたのだ。


 映画談義で二人はすっかり意気投合し、スピルバーグは『007』シリーズを作ることが長年の夢だったことを打ち明ける。それに対してルーカスは、20世紀初頭に作られていた連続活劇映画を現代に換骨奪胎した、アドベンチャー映画の構想を語った。これこそが、『インディ・ジョーンズ』シリーズのアイデアだった。ルーカスはこの企画の監督としてスピルバーグに公式オファーし、シリーズは始動する。


 やがて作られた『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(81)、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(84)はいずれも大ヒット。シリーズ最終章として考えられていた第3作には、家族の気配を全く感じさせなかったインディ・ジョーンズに、彼の父親を登場させることを、スピルバーグは強く提案する。スピルバーグは、単なる娯楽作品ではなく、家族の物語としてシリーズを完結させたかったのだ。



『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』TM & (C) 1989, 2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.


 『007』へのリスペクトから誕生したシリーズなのだから、願わくばインディの父親には007に演じてもらいたい。スピルバーグはダメ元で初代ジェームズ・ボンドことショーン・コネリーに依頼し、OKをもらうことに成功する(他の候補として、グレゴリー・ペックの名前も上がっていたという)。


 実はこの映画、エルザ・シュナイダー役のアリソン・ドゥーディは『007 美しき獲物たち』(85)、ウォルター・ドノバン役のジュリアン・グローヴァーは『007 ユア・アイズ・オンリー』 (81)、サラー役のジョン・リス=デイヴィスは『007 リビング・デイライツ』(87)と、ショーン・コネリー以外も『007』シリーズを意識した顔ぶれになっている。


 ヒロインのエルザが非業の死を遂げてしまうのも、同じく悲劇的結末を迎えるボンド・ガールを意識したものなのかもしれない。



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