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『透明人間』ジャンル映画をアップデートした低予算コンビの偉大な成果

(c) 2020 Universal Pictures

『透明人間』ジャンル映画をアップデートした低予算コンビの偉大な成果

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ジェイソン・ブラム&リー・ワネル×ユニバーサル



 SF作家H.G.ウェルズの原作を、『フランケンシュタイン』(31)のジェームズ・ホエールが1933年に監督して以来、数々のスピンオフが作られてきた”ユニバーサル・ホラー”の一つ『透明人間』。ハリウッド・メジャーのユニバーサルが、この大切なアーカイブのリブートを、なぜ新世代に依頼したのか。既報の通りではあるが、その経緯を簡単に説明しよう。


 2014年の10月、ユニバーサルは自社が製作した、フランケンシュタイン、ドラキュラ、ミイラ、透明人間、ファントム(オペラ座の怪人)、狼男たちを、”ダーク・ユニバース”と題して連続リブートすると発表する。2年後、その中からいち早く『透明人間』が、ジョニー・デップ主演、『グランド・イリュージョン』(13)のエド・ソロモン脚本で立ち上がるが、ソロモンとユニバーサルの間で意見の相違があり、企画は頓挫。翌年、”ダーク・ユニバース”の第一弾として劇場公開されたトム・クルーズ主演の『ザ・マミー/呪われた砂漠の女王』(17)の、レビュー及び興収が芳しくなく、それを機に”ダーク・ユニバース”の専用オフィスは実質閉鎖状態に陥る。



『透明人間』(c) 2020 Universal Pictures


  途方に暮れるユニバーサルの幹部に救いの手を差し伸べたのは、『ヴィジット』(15)『ゲットアウト』『ハロウィン』(18)等のプロデュース作品でユニバーサルとは信頼関係にあるジェイソン・ブラムだ。


 また、ブラムとは『アップグレード』を含めて過去多くの作品でコラボし、今やブラムハウス・プロダクションズには欠かせない存在となったリー・ワネルが、ある日、ブラムの前に現れてこう言ったのだ。「ねえ、『透明人間』を低予算で作るアイディアがあるんだけど、興味ある?」と。ワネルの話に耳を傾け、成功を確信したブラムは、ユニバーサルに即一報を入れる。「ここにブラムハウス・スタイルの『透明人間』のアイディアがあるんだけど、ゲームに参加してみる気はない?」と。


 まるで、ワネルがブラムに話した時と同じような誘い文句に、追い詰められたユニバーサルの幹部が乗っかったことは言うまでもない。こうして、ブラム&ワネル×ユニバーサルによるミーティングが、始まることとなる。



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