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市川準監督の名作『トニー滝谷』はいかにしてあの特殊な空気感を表現したのか?

(c)Photofest / Getty Images

市川準監督の名作『トニー滝谷』はいかにしてあの特殊な空気感を表現したのか?

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写真のように、たたずまいだけで撮る



 主演のイッセー尾形と市川準監督はかねてよりCMや映画で組んできた仲。気心と手の内を知り尽くしているからこそ、これまでとは全く異なるアプローチができないものか。そう考えた市川は「今回はスチール写真のように、たたずまいだけで撮りたい」(*1)と要望を伝えたという。


 特に市川監督は、イッセー尾形の「舞台俳優としての姿」ではなく、むしろ舞台を降りた後の「素の表情や、たたずまい」にトニーと似た何かを見出していたようだ。それらをより多く引き出すために、舞台的な動きや演技、アドリブは、あえて封印して臨むことになった。




 本作には『晴れた家』(村松正浩監督)という興味深いメイキング・ドキュメンタリーがあるのだが、その中で撮影現場を飄々とさまようイッセー尾形の姿は、映画の中のトニーそのもの。いかに”そのままのたたずまい”で演じることが求められたのかがよく分かる。


*1:「市川準」(河出書房新書編/2009)p.105より引用


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