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『ザ・エージェント』とことんピュアな映画監督、キャメロン・クロウの「愛と信頼」が詰まった傑作

『ザ・エージェント』とことんピュアな映画監督、キャメロン・クロウの「愛と信頼」が詰まった傑作

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若く瑞々しいトムとレネー、そして絶頂期のキューバ・グッディング・Jr.!



 こうして「負け犬」(LOOSER)と呼ばれる身になったジェリーの模索と奮闘の物語が起動し始めるのだが、まずは主演のふたりがとにかく若い!


 1962年生まれのトム・クルーズ(第54回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞受賞)は、本作とちょうど同じ1996年に『ミッション:インポッシブル』シリーズが開始。やがてアクション・スターとしてジャッキー・チェンの向こうを張るような超人化を果たすことになるが、この頃はまだ青春スターの爽やかさを30代にまで延長させていた時期だ。ちょっとチャラい笑顔が素敵な正統派のイケメンぶりが眩しい。


 そして1969年生まれのレネー・ゼルウィガーは、「あのトム・クルーズの相手役」を務めた本作で一躍ブレイク。その等身大の親しみやすいキャラクターは『ブリジット・ジョーンズの日記』(01/監督:シャロン・マグワイア)の主演という当たり役にもつながる。ただしその後はしばらく波瀾万丈の迷走を辿ることになり、数年の休業を経て復帰。ジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』(19/監督:ルパート・グールド)では壮絶な演技を見せて、第92回アカデミー賞主演女優賞を獲得。もはや「等身大」は何処へやら、ある種の超人化を遂げる形でカムバックした。



 このビッグスターふたりの瑞々しい芝居のアンサンブルを観られるのも嬉しいが、そこに加え、1968年生まれのキューバ・グッディング・Jr.のパワフルな姿がさらに懐かしい。彼はただひとり、独立したジェリーのクライアントとして残るアメリカン・フットボール選手のロッドに扮した。


 ロッドは自称「スーパースター」ながら、実際は実力の割りにいまいちパッとしない中堅選手でマスコミ受けも良くない。グッディング・Jr.は陽気なハイテンションの中に、トップ選手になれない「負け犬」(LOOSER)の影と、愛情溢れる家庭人でもある根の優しさが垣間見える名演を披露し、第69回アカデミー賞助演男優賞を受賞した。


 グッディング・Jr.はまさに本作がキャリアの絶頂期。2019年6月にニューヨーク市内のバーにて、酩酊した状態で女性の胸を触り、痴漢容疑で逮捕されたニュースが伝えられた際は、時の流れの残酷さをしみじみ痛感したものだ……。



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