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『フォレスト・ガンプ/一期一会』名匠ゼメキスが最新技術を駆使して”アメリカの姿”を描いた、90年代ハリウッド映画の金字塔

(c)Photofest / Getty Images

『フォレスト・ガンプ/一期一会』名匠ゼメキスが最新技術を駆使して”アメリカの姿”を描いた、90年代ハリウッド映画の金字塔

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ロバート・ゼメキスがもたらした映像革命



 90年代の中盤は、CGが映画の世界に解き放たれた革命的な時期だった。その先駆作となったのは、なんと言ってもスピルバーグの『ジュラシック・パーク』(93)。あの恐竜たちを目にした瞬間、我々は自分が映画史の新たな扉をくぐり抜けていることを、まざまざと実感したものだ。


 一方、この翌年に誕生した『フォレスト・ガンプ/一期一会』が素晴らしいのは、当時の観客たちに、自分がいま歴史的な扉をくぐり抜けていることを”意識させなかった”点だろう。ゼメキスは決して「どうだ!」と大見栄を切ることなく、あくまで物語を伝える上での実用的な道具としてCGを使いこなしている。そこが大きな特徴だった。


 例えば、空の色を変えたり、反戦集会の群集をコンピューター画面上で何万人もの数に増やして見せたり、戦争で両足を失ったダン少尉の身体的特徴を描く上でもCGは欠かせないものとなった。さらに本作で伝説的なまでに我々の記憶に刻まれることになるのが、歴代の大統領やジョン・レノンらが登場する記録映像の中に、フォレストの姿をナチュラルに溶け込ませるという手法である。



『フォレスト・ガンプ/一期一会』(c)Photofest / Getty Images


 この場面の映像化のために、撮影の随分前から専門のスタッフが召集された。そして該当する映像資料を数多く掘り起こし、どの場面を用いれば理想的な映像を作り出すことができるのか、綿密なシミュレーションが行われた。その結果、フォレスト・ガンプが映像の中に溶け込むだけでなく、相手にセリフを喋らせるなどして、互いがリアルなコミュニケーションを交わしているように見せる、これまでにないマジカルな映像すら誕生したのだ。


 もしもこの時代、誰もがスピルバーグのような使い方を志向したなら、CGの可能性も限定的なものにとどまったかもしれない。その実用性の高さをもっと具体的に提示してみせたゼメキスの発想力があったからこそ、人々はCGについて深く理解し、その後の展望がグッと広がっていったのではないだろうか。




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