(C) 1989 Universal Studios. All Rights Reserved.
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』ロバートゼメキスが「チキン!」に込めた自戒の念とは
2019.07.10
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』あらすじ
1955年から1985年(現在)へ無事に戻ることができたマーティ。今度は、2015年からデロリアンに乗ったドクが現れ、マーティの将来に危機が生じると告げる。後の息子が未来で事件を起こしているのだ。マーティは未来世界で息子を守るべく事件を解決するのだが、その結果、1985年(現在)が大きく変化することになってしまう。それを元に戻すために、再び1955年にタイムトリップする。
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ちょっとした「オマケ」から続編に!
公開時に特大ヒットを飛ばした『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)。ビデオリリース時に監督のロバート・ゼメキスはちょっとしたオマケを加えた。映画のラスト。未来から戻ってきたドクはマーティとジェニファーを連れ、デロリアンに乗り、空を飛んでまたもや“未来へ戻って”いく。暗転した画面に大きくこう出る。
「TO BE CONTINUED…(つづく)」
危機また危機の展開から、かつての連続活劇映画を匂わせたかったのだろう。キレイにオチのついた映画に「つづく」の文字は、なんとも遊び心に溢れたジョークのように思えた。しかし、そんな遊び心が通じない人種がいた。スタジオのプロデューサーである。
「つづく」と言うなら続きはあるんだろうな! 観客も観る気マンマンだぞ! 無いなんて聞かないぞ! 作る気が無いんなら別のスタッフで作ってやる!
『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』(C) 1989 Universal Studios. All Rights Reserved.
そう挑発されたロバート・ゼメキス。彼にとって『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は念願がようやく叶った作品で、思い入れも強かった。また難産でもあったため「あとはどうぞご勝手に」といった気持ちにもなれなかった。自分の預かり知らないところで勝手に続編が作られて“シリーズ”の評価が落ちるなんてのは悪夢だった。
ゼメキスはプロデューサーの挑発にまんまと乗り。すでに『ロジャーラビット』(88)の制作に入っていたにも拘らず、その激務の合間を縫って『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part.2』(89)の制作に入ったのであった。