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『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』ロバートゼメキスが「チキン!」に込めた自戒の念とは

『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part2』ロバートゼメキスが「チキン!」に込めた自戒の念とは


途中で始まり途中で終わる



 『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart.2』は公開当時、そのアッパーで狂騒的な展開に熱烈なファンを産んだ一方、少なからず不評も買っていた。パート1の直後から始まり、パート3へのフリをしたところで終わる「途中から始まり途中で終わる映画」だ。という理由からだ。


 ハリウッド映画界で脚本コンサルタントとして名高いシド・フィールドによると、多くの優れた映画は三幕構成で作られているそうだ。まず登場するキャラクターの紹介をする「設定」。主人公がふりかかる困難と対峙する「衝突」。その困難を乗り越える「解決」。


 『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart.2』をこの論理で例えるなら、まず「設定」をスッ飛ばし、「衝突」と「解決」がアバンギャルドに混じり合い混沌としたまま、最後の「衝突」として「1885年に飛んだドクを助ける」を提示して映画は終わる。とても「三幕構成」と言えるものでは無い。



(C) 1989 Universal Studios. All Rights Reserved.


 しかし、セオリーやフォーミュラは常に更新されていくものだ。


 近年では『ソロモンの偽証』(15)や『神と共に』(17-18)のように、最初から2本で1つの作品として成立するような設計の映画も増えている。『ロード・オブ・ザ・リング』(01)シリーズのように最初から3部作になることを想定し、一気に撮影してしまう作品もある。


 『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart.2』はまず『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観ているという大前提で作品が作られており、なおかつ続編『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart.3』に続く展開である。撮影もパート2とパート3は一気に行われ、パート2のエンディングでは本編に組み込まれた形でパート3の予告がついていた。


 今となっては珍しくないが、公開当時としては画期的な計画であり、新しいものに常に懐疑的なコンサバティブな人々にとっては受け入れ難かったのであろう。しかし、30年の時を経てなお愛され続けていることを鑑みれば、この判断の正しさは証明されたと言える。



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