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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』アメリカの歴史を体現するマクフライ家とヒルバレーの物語

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』アメリカの歴史を体現するマクフライ家とヒルバレーの物語

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脚本家のお父さんの卒業アルバムから生まれた物語



 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)では1985年の高校生マーティが30年前の昔にタイムスリップ。さらに『 Part2』(1989)では30年後の未来へ、『 Part3』(1990)では100年前の過去へと飛び回る。ところが、だ。どれだけ時間を飛び越えても物語の舞台は変わらない。カリフォルニア州のどこかにある架空の町“ヒルバレー”の周辺から物語が飛び出すことはないのである。


 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のそもそもの始まりは、ロバート・ゼメキス監督と大学の同級生で脚本家のボブ・ゲイルがタイムトラベル映画を作ろうと盛り上がったことだった。しかし具体的なアイデアがなく棚上げしていたのだが、ゲイルが実家にあった父親の卒業アルバムを見たことでアイデアが降ってきたという。


 ゲイルはその時に初めて、父親が高校時代に生徒会長だったことを知った。優等生然とした父親が想像できなかったゲイルは、過去にタイムトラベルした高校生が両親の知らなかった面を目撃するというアイデアを思いつき、若き日の両親の恋の取り持とうとする主人公マーティが生まれたのだ。



(C) 1985 Universal Studios. All Rights Reserved.


 ボブ・ゲイルが自分や家族の背景をどこまで脚本に反映させたかは不明だが、初期脚本ではマーティは海賊版ビデオを作るオタク少年という設定だった。スタジオが難色を示したことでロック好きのキャラに変更されたのだが、郊外の住宅地で育ち、コミックと映画に夢中な少年時代を過ごしたゲイルは、マーティに自分自身を投影していたのではないだろうか。


 やがて企画は2つの時代を股にかけて“ある家族の歴史”を描くというコンセプトにたどり着く。その家族は決して特別な存在ではなく、アメリカ庶民の平均像を代表していなくてはならない。その結果、“ヒルバレー”もまた、アメリカ社会の縮図であることが必然となった。ヒル(丘)とバレー(谷)を組み合わせた矛盾のある地名は一種の冗談だが、アメリカという国のイメージを体現する“どこにでもありそうな場所”を表すのにぴったりな地名でもある。



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