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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』アメリカの歴史を体現するマクフライ家とヒルバレーの物語

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』アメリカの歴史を体現するマクフライ家とヒルバレーの物語


アメリカの歴史を体現する架空の町“ヒルバレー”



 ヒルバレーという町は、『Part3』の舞台が1885年の西部開拓時代に移ったことでさらにその歴史が掘り下げられることになる。1885年当時のヒルバレーはようやく町の体を成した頃で、町のシンボルであるあの時計台もまだ建設中。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するカフェの前身となる酒場はすでに営業を始めており、後に自動車販売店を営むスタットラー家の先祖は馬の売買を、ビフが突っ込む肥やしを運んでいた肥糧屋のジョーンズ一家も既に開業している。


 マーティのご先祖さまは町はずれで農場をやっているし、ビフの先祖であるならず者のビュフォード“マッドドッグ”タネンもヒルバレーの住人。彼らは皆、ヒルバレーを住処と定め、その息子や娘、孫たちはヒルバレーを地元として育ち、地元で仕事を持ち、結婚をして子供を育ててきた。ヒルバレーは「開拓者である先祖の土地を守る」という昔気質のアメリカ人たちによって存続してきた町であり、アメリカの伝統的な価値観を凝縮させた小宇宙と言っていい。



(C) 1985 Universal Studios. All Rights Reserved.


 ここからはちょっとした遊びになるが、ヒルバレーの町は一体どこにあるのだろうか? 実際に撮影が行われたロケ地はロサンゼルス近郊に集中しているが、設定上は北カリフォルニアのどこかだという。劇中の交通標識を手がかりにするとアメリカの国道395線沿いにあると考えられる(「ルート8」の標識も映ってはいるが、こちらは想定される地域からかなり離れているので一旦脇に置く)。


 カリフォルニア州の395号線沿いには「ローン・パイン」なる町も存在していて、ローン・パイン・モールがある場所のモデルなのだと早合点したくなるが、実在のローン・パインはモールがあるような規模には程遠い田舎町。ただ、多くの西部劇映画が撮影された場所で、「西部劇映画博物館」がささやかな観光名所になっている。


 結論から言うと、ルート395号線沿いではヒルバレーのモデルと思われる町を特定することはできない。ただし『Part3』にヒルバレー周辺の鉄道路線図が出てくるので、サウスパシフィック鉄道がシエラネバダ山脈を横切っていた線路沿いにあることは間違いない。ざっくりサンフランシスコの北西200キロから300キロ。カリフォルニア州の州都サクラメントからネヴァダ州のカジノ都市リノの間のどこかだと思っておけばよさそうだ。


 その地域は、1880年代中頃に金が採掘され、世界中から金鉱掘りが集まったゴールドラッシュの引き金になった場所。『Part3』が描いた1885年頃には既にゴールドラッシュは終息しているが、急激な人口流入でカリフォルニアは発展し、次々と町が生まれ、アメリカ大陸を横断する鉄道が開通した。そんな歴史の流れの中で“ヒルバレー”も生まれ、マクフライ家のような市井の人々のホームタウンになったのだ。


 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が描く時代は1955年と1985年。三部作を通すなら、1885年から2015年までの130年間に渡る壮大な物語だ。さらにアメリカの歴史を踏まえて観ると、練り込まれたディテールや脇役のひとりひとりに深い背景が感じられ、観客も想像の翼をよりはばたかせることができる。いささか大袈裟なようだが、みなさんも“アメリカという国そのものを描いたサーガ”という観点から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を再発見してみてはいかがだろうか。



文: 村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。



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作品情報を見る



『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

ブルーレイ (1,886円+税)

発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント 



製作年・製作国:1985年

収録時間:116分

DVDレイヤー:片面2層

カラー:カラー

パッケージサイズ:BD用トール

画面サイズ:ビスタ・サイズ

画面アスペクト:16:9

リージョン:ALL


商品仕様(字幕):

1:日本語字幕 

2:英語字幕 

3:解説用字幕 

4:日_吹字1 

5:日_吹字2


音声:

1:日本語 5.1ch DTS Digital Surround 

2:日本語 2chステレオ Dolby Digital 

3:英語 5.1ch DTS-HD Master Audio 

4:音声解説 2chステレオ Dolby Digital

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