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『ベンジャミン・バトン~数奇な運命』ブラッド・ピットとフィンチャーがおくる、人生の夢と儚さ

『ベンジャミン・バトン~数奇な運命』ブラッド・ピットとフィンチャーがおくる、人生の夢と儚さ

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4度目のノミネートで遂にオスカー像を手にしたブラッド・ピット



 ブラッド・ピットが遂にオスカー像を手にした。受賞作は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)。まずは「おめでとうございます!」と祝辞を送りたい。


 今回で候補になったのは4回目。初めてノミネートされたのは『12モンキーズ』(95)で、この時は助演男優賞の部門。初の主演男優賞候補となったのは『ベンジャミン・バトン~数奇な運命』(08)。その後、『マネー・ボール』(11)でも同賞の候補となり、遂に昨年の話題作で助演男優賞を受賞。ハリウッドを代表する大スターゆえ、本当は主演男優賞をとってほしかった気もするが、ピットは不思議なスタンスを持つ男優で、役の大きさではなく、企画の内容で作品を決めることもある。そう考えると主演・助演は関係ないのかもしれない。



 初めてオスカー候補となった『12モンキーズ』は才人、テリー・ギリアムの監督作だったが、この映画のキャンペーンで来日した時、ギリアムはこんな話をしていたものだ。


 「最初はブラッドの起用は特に考えていなかったが、アメリカから英国の私の家まで彼がやってきて、どうしても私の映画に出演したいと言う。主役はブルース・ウィリスに決まっている、と答えたら、脇役でもいいから出たいと言い始めた」


 ピットはギリアムの大ファンだったようだ。そして、監督はあまりの熱心さに負けて役を与えたようだが、結果的にはオスカー候補となったのだから、彼の起用に間違いなかった。このエピソードからも分かるように、ピットは役の大きさではなく、自分の好きな監督や気にいった企画への参加を好む。たとえば、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』(00)やコーエン兄弟の『バーン・アフター・リーディング』(08)も脇役だったが、あえて出演して、とても楽しそうに役を演じていた。




 そして、近年では製作者として、自身のプロダクション、プランBで意欲的な作品に世に送り出し、『ディパーテッド』(06)、『それでも夜は明ける』(13)、『ムーンライト』(16)などでは製作者として、いずれもオスカーの作品賞を受賞している。


 主役として表舞台に立たなくても、カゲで支えることもできる性格だ。クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で演じた、落ち目のスター(レオナルド・ディカプリオ)を支えるスタントマンというキャラクターも、一歩引くことを知っているブラッド・ピットにふさわしい。


 アカデミー賞の受賞スピーチでは、タランティーノのことをオリジナルな才能を持つ監督としてたたえ、共演したレオにも愛のある言葉を送り、さらにふだんは影の存在になりがちなスタント関係者にも敬意の言葉を捧げた。「私がいま、ここに立っていられるのも、これまで出会った多くの人々のおかげです」と感謝の言葉を述べ、自身の子供たちのことも語った(ただ、政治的な発言も入っていて、一部では批判する声もあったようだ)。


 そんな彼のオスカー受賞を祝って、代表作の1本、『ベンジャミン・バトン』の魅力を振り返りたい。



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