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『リバー・ランズ・スルー・イット』ロバート・レッドフォードとブラッド・ピット、運命の出会いが生み落とした珠玉の傑作

『リバー・ランズ・スルー・イット』ロバート・レッドフォードとブラッド・ピット、運命の出会いが生み落とした珠玉の傑作

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多くの人に愛されたレッドフォード監督作品



 この夏、ロバート・レッドフォードの俳優としての引退作『さらば愛しきアウトロー』(18)が公開された。彼が演じているのは、一見、普通の紳士に見えるのに、実は脱獄経験もある大ベテランの強盗という設定である。


 レッドフォードは誰もが認めるハリウッドの“元祖”イケメンスターだが、けっしてただ甘いだけの二枚目ではなかった。出世作となった『 明日に向って撃て!』(69)のサンダンス役でも分かるように、ハンサムでありながら、型におさまりきれない野生児でもあった。優雅な雰囲気と野性味。その絶妙のバランスこそが、彼の持ち味で、今回の紳士強盗という役柄にも、そんな彼の持ち味が生かされていた。



 俳優としてだけではなく、初監督作『 普通の人々』(80)ではアカデミー作品賞・監督賞も受賞。さらにインディペンデント映画を育てるサンダンス・インスティチュートの主催者としても知られている。そんな彼の監督作品の中で、日本でも多くの人に愛されてきたのは92年の『リバー・ランズ・スルー・イット』ではないだろうか。


 時代は1910~20年代で、まるで失われた家族のアルバムを再現するかのように、セピア調の写真も織り交ぜながら、ある一家の出来事が綴られる。舞台はモンタナ州ミズーラで、大自然に恵まれた環境の中で釣りに生きがいを見出すマクリーン一家が主人公である。


 この映画のことを振り返った時、まっさきに浮かぶのは、アカデミー撮影賞を獲得したフィリップ・ルースロの息をのむように美しい映像だろう。川の流れや森林の緑が生々しく、清涼感ある風景がよみがえる。その自然に寄り添うかのように、控えめで、繊細なマーク・アイシャムの音楽も心の中にしみわたる。商業的な大ヒットをめざして作られた作品ではなく、真摯な気持ちで風景や人物たちに向き合ったことが伝わる作風となっている。


 そして、釣りの天才に扮する若き日のブラッド・ピットのまぶしい存在感。若き日のレッドフォードを思わせ、まるで彼の分身であるかのような新人男優に出会えたことは、監督として本当に幸運だったと思う。主人公たちのフライ・フィッシングの場面が記憶に残る作品だが、レッドフォードはブラッド・ピットというまさに未知の大魚を釣り上げたのだ。



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