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『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』ブラッド・ピットとフィンチャーがおくる、人生の夢と儚さ

The Curious Case of Benjamin Button © 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. Package Design & Supplementary Material Compilation © 2009 Warner Bros. Entertainment Inc. Distributed by Warner Home Video. All rights reserved.

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』ブラッド・ピットとフィンチャーがおくる、人生の夢と儚さ

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最先端の技術が生かされた主人公の顔の変化



 映画化がなかなか実現しなかったのは技術的な表現のむずかしさのためでもあった。「でも、デイヴィッドは時間と映像素材、お金がそろえば、企画が実現できると信じていた」と語っているのはSFXを担当した製作会社、デジタル・ドメインで製作総指揮担当のエド・ウルブリッチである。


 「ワイアード」のサイトに掲載されたインタビューによれば、フィンチャーはこの役をひとりの俳優が最初から最後まで演じるべきだと考え、それぞれの年齢に合う体形の男優たちをボディ・アクターとして選び、彼らの体にブラッド・ピットの頭の部分をつけていったという。



『ベンジャミン・バトン~数奇な運命』The Curious Case of Benjamin Button ©  2008 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. Package Design & Supplementary Material Compilation ©  2009 Warner Bros. Entertainment Inc. Distributed by Warner Home Video. All rights reserved.


 まずはピットの顔型をとり、それを粘土で復元し、老人メイクの顔型を作り上げ、今度はシリコンを使って再現。それをコンピューターによってCG化する。そして、ボディ・アクターの演技を見ながら、ピットが演じ、それを基にして、さらに次の映像を作り上げる。顔の方はピットがそれぞれの場面を演じて、その表情をデータ化し、彼の変化をCGの技術を使って作り上げた。目の撮影だけで1年半、舌の部分だけで9か月を要しているという。


 最初の52分間のために325ものショットが用意されたが、実際に写っているのは生身のブラッドではなく、コンピューターで作り上げられた姿だという(ベースになっているのが彼の演技であったとしても)。気が遠くなるほどの労力と最先端の技術を導入した結果、老人から子供へと逆成長を遂げるベンジャミンの映像が実現したのだ(その結果、オスカーの美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞など3つの賞も獲得した)。



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