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『ジュラシック・パーク』が一新させた恐竜描写と、驚異のCG革命を振り返る

『ジュラシック・パーク』が一新させた恐竜描写と、驚異のCG革命を振り返る

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 ハリウッドを代表するフランチャイズ作品として4本ものシリーズを重ね、そしてこのたび5作目となる『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が日本でも大ヒット中の恐竜パニックムービー『ジュラシック・パーク』(93)。


 こうした盛況に触れると、第1作目はつい先日の作品のように思えるが、初公開からすでに25年という歳月が経過している。当時はまだ生まれていなかった人も増え、スティーブン・スピルバーグが手がけたこの映画の衝撃を、リアルタイムで知らない世代がいることをつい忘れがちになる。


 言い返せば同作が、それだけ登場時のインパクトを今日まで保ち続け、その存在がいかに多くの映画ファンに驚きを与えたのかを物語っているのだ。そこで改めて『ジュラシック・パーク』が映画界にもたらした成果を、この場を借りて振り返ってみたい。



生物感のある恐竜描写の始まり



 『ジュラシック・パーク』の最も衝撃的だったところは、映画における恐竜描写を一新させた点にある。スピルバーグは商業映画において「以前」「以後」を打ち立ててきた稀代のクリエーターだが、本作においても同様に「以前」「以後」を見事なまでに実践している。


 そんなスピルバーグが本作で目指したのは、恐竜を現実離れしたモンスターではなく、野生動物のように描くことにあった。もとより原作を手がけたマイケル・クライトン(「アンドロメダ病原体」「失われた黄金都市」)が、具体的な社会事例と科学理論を織り交ぜるセミドキュメンタリー調の作風だっただけに、遺伝子操作で恐竜を蘇らせるという本作がリアリティを目指すのは必然といえただろう。



(C)1993 Universal Studios and Amblin Entertainmant,Inc. All Rights Reserved 


 だが、これまで映画に登場してきた恐竜は、着ぐるみや実物のトカゲに特殊メイクをほどこすといった、先述のような観点からはやや陳腐な表現がなされていた。なかにはウィリス・オブライエン(『ロスト・ワールド』(25)『キングコング』(33))やレイ・ハリーハウゼン(『恐竜100万年』(66)『恐竜グワンジ』(69))に代表されるストップモーション(コマ撮り)アニメの達人が、職人技を駆使してファンタジックな恐竜のイメージを提供していたものの、尾をヘビのようにバタつかせ、レスラーよろしく取っ組み合いをするなど、スピルバーグが求めている生態描写とは方向性の違いが著しかったのだ。


 加えて古生物学の分野では「恐竜ルネッサンス」と呼ばれるサイエンス革命が勃発していた。恐竜は冷血動物ではなく温血動物であるという学説が有力視され、その復元図は従来の爬虫類をルーツとする姿から鳥類の生態を受け継いだ姿で描かれるようになっていたのだ。こうした新説に基づく恐竜像の変化は反響を呼び、ポップカルチャーにおける恐竜描写の変革をうながしたのである。


 知性を有し、敏捷に身を動かし、そして群れをなして狩りをする——。こうした「ナショナル・ジオグラフィック」誌にネイチャー・フォトグラフとして掲載されても違和感のない恐竜像を『ジュラシック・パーク』は追求し、そして映像化へと導いたのだ。




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