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『モリコーネ 映画が恋した音楽家』偉大なマエストロの半生を通して描く“映画史”

©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

『モリコーネ 映画が恋した音楽家』偉大なマエストロの半生を通して描く“映画史”

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盟友、ジュゼッペ・トルナトーレ



 本作の監督を務めているのは、『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)、『海の上のピアニスト』(98)、『マレーナ』(00)で知られるジュゼッペ・トルナトーレ。彼の作品はほぼ全てエンニオ・モリコーネが作曲しており、まさに盟友の間柄といえるだろう。トルナトーレが彼の音楽に初めて触れたのは、小さい頃に観た『夕陽のガンマン』(65)だったという。


 「8歳か10歳くらいの頃に、『夕陽のガンマン』を観たんだ。特に音楽が印象的だった。その数日後、海辺に行ったとき、1台のジュークボックスが『夕陽のガンマン』のサウンドトラックを流し始めたんだ。映画音楽というものは、“映画がなくても生きていけるんだ”ととても感動したよ。それ以来、モリコーネに興味を持つようになったんだ」(*1)



『モリコーネ 映画が恋した音楽家』©2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras


 かつてのセルジオ・レオーネがそうだったように、晩年のエンニオ・モリコーネにとって、ジュゼッペ・トルナトーレは最も信頼のおけるパートナーとなった。プロデューサーからドキュメンタリー映画製作の相談を持ちかけられたとき、「ジュゼッペが撮るならやってもいいが、彼以外ならダメだ!」と伝えたエピソードが残っているほど。トルナトーレ自身も、偉大な作曲家に対する愛情と友情を隠さない。


 「言いたいのは、私たちはすぐにお互いを理解し、この関係が相互の信頼の中で成長し、共感も感じているということだ。私たちは30年以上も仕事と付き合いを続けてきたからね。(中略)常にお互いの声を聞き、食事に行ったり、日曜日にはランチに行ったり、いつも好きなテーマである音楽について、音楽と映像の関係について話したりした。彼は自分の人生を話し、私の人生についても尋ねた。まさに文通のような関係だったんだよ」(*2)





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