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『荒野の用心棒』レオーネとイーストウッド。異質な才能同士がぶつかって生まれた、マカロニ・ウェスタンの代表作

(c)Photofest / Getty Images

『荒野の用心棒』レオーネとイーストウッド。異質な才能同士がぶつかって生まれた、マカロニ・ウェスタンの代表作

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不況のイタリア映画界を救った、マカロニ・ウェスタンの火付け役



 60年代初めのイタリア映画界は不況の真っ只中にあった。『クレオパトラ』(63)、『ソドムとゴモラ』(63)といった超大作が興行的に大失敗。かつて隆盛を誇った豪華絢爛たる歴史劇は勢いを失い、映画産業そのものが縮小傾向へと向かっていったのである。


 そんな状況のなか、イタリアの映画プロデューサーたちが新しい鉱脈として大きな期待をかけたのが、西部劇。すでにハリウッドでは斜陽の時代を迎えていたが、ヨーロッパでの人気は依然高かった。その火付け役となったのが、1964年に公開された『荒野の用心棒』。20万ドルの製作費に対して、世界興収はおよそ1,500万ドルの大ヒット。イタリア製西部劇…いわゆるマカロニ・ウェスタンの歴史は、ここから始まったといっても過言ではないだろう。


『荒野の用心棒』予告


 本作は、後に“マカロニ・ウェスタンの父”と称されたセルジオ・レオーネの、初西部劇作品でもある。当時の彼は、長い長い下積み生活を経てやっと『ポンペイ最後の日』(59)と『ロード島の要塞』(61)の2本を演出したばかりの、ペーペーの新米監督。しかも不況のあおりを食らって、仕事が全くない状態だった。


 そんなある日、彼は知人の撮影監督のエンツォ・バルボーニから、一本の日本映画を激推しされる。バルボーニは今まさにその作品を劇場で観たばかりで、興奮冷めやらぬ状態だった。その映画のあらすじはこうだーーー。腕のたつ浪人が、ある宿場町にやってくる。そこでは二つの勢力が対立を深めていて、浪人は用心棒として自らを売り込む。だがそれは、どちらの勢力も一網打尽にしてしまおうという計画だった…というお話。


 そう。その日本映画こそ、黒澤明の傑作時代劇『用心棒』(61)である。




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