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『続・夕陽のガンマン』3人のならず者が宝探しに奔走するピカレスク・ロマン

(c)Photofest / Getty Images

『続・夕陽のガンマン』3人のならず者が宝探しに奔走するピカレスク・ロマン

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『続・夕陽のガンマン』あらすじ

南北戦争中の1862年、ジョー(クリント・イーストウッド)、セテンサ(リー・ヴァン・クリーフ)、テュコ(イーライ・ウォラック)の3人が、それぞれ相手を出し抜き、隠された大金を我が物にせんと謀を巡らす。3人は大金を総取りできる決闘で決着をつけようとするが……。


Index


製作費120万ドルを注ぎ込んだ、「ドル箱三部作」最終作



 『夕陽のガンマン』(65)、『続・夕陽のガンマン』(66)、『新・夕陽のガンマン』(67)、『さすらいのガンマン』(67)、『復讐のガンマン』(66)、『荒野の用心棒』(64)、『続・荒野の用心棒』(66)、『暁の用心棒』(67)…。


 あーもうどれがどれやら、さっぱり分からん。マカロニ・ウェスタンの邦題は、観客を混乱と混沌に叩き込む。だがその中でも、セルジオ・レオーネ監督とクリント・イーストウッドがタッグを組んだ「ドル箱三部作」の3本目に当たる、『続・夕陽のガンマン』の完成度は一頭地を抜く。本稿では、筆者が愛してやまない本作について書かせて頂きます。


『続・夕陽のガンマン』予告


 勝手に続編扱いになっているが、原題は『The Good, the Bad and the Ugly(善玉、悪玉、卑劣漢)』で、『夕陽のガンマン』とは直接的な関連はない独立した映画。南北戦争中の1862年を舞台に、クリント・イーストウッド演じるジョー(善玉)、リー・ヴァン・クリーフ演じるセテンサ(悪玉)、イーライ・ウォラック演じるテュコ(卑劣漢)の3人が、隠された金塊を我が物にせんと謀を巡らす、痛快活劇が繰り広げられる。セルジオ・レオーネのコメントを引用してみよう。


 「(この作品は)『夕陽のガンマン』のストーリーを考えている間に思いついたんだ。(中略)「いい(グッド)奴」、「悪い(バッド)奴」、「乱暴な(バイオレント)奴」などという区別は、絶対的な根源的な意味では存在しないと、私は常々思っていたんだ。西部劇の様式を使ってこれらの形容詞の神秘のベールを剥ぐのは面白そうだと思った」(セルジオ・レオーネへのインタビューより引用*)


 南北戦争の真っ只中に、3人のならず者が宝探しに奔走するピカレスク・ロマン。このアイディアに、アメリカの映画会社ユナイテッド・アーティスツが飛びついた。当時は、『夕陽のガンマン』が興行記録を繰り替えるほどの大ヒット。セルジオ・レオーネは一躍ヒットメイカーにのし上がり、ユナイテッド・アーティスツは是が非でも次回作の配給権を手に入れたいと考えていたのだ。交渉の結果、レオーネは120万ドルという破格の製作費を手に入れることに。これまでにない潤沢な予算で、『続・夕陽のガンマン』は撮影をスタートすることになる。




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