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『コンスタンティン』キアヌ・リーブスの複数の魅力を合流させ、カルトな代表作に

(c)Photofest / Getty Images

『コンスタンティン』キアヌ・リーブスの複数の魅力を合流させ、カルトな代表作に

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長年、待たされている続編は完成するのか



 『コンスタンティン』の監督を務めたのは、フランシス・ローレンス。それまでミュージック・ビデオを手がけてきた彼にとって、これが長編映画の初監督作となった。この後、ローレンスは『ハンガー・ゲーム2』(13)以降の同シリーズを撮り、興行的に大成功を収めることになる。『コンスタンティン』でのローレンスの演出は、どちらかといえばVFXを駆使したケレン味に徹した印象。特に地獄のシーンのビジュアルに、怖いもの知らずな初監督らしいチャレンジ精神が生かされている。映像化のプロセスで最も難しかったのは、刑事のアンジェラが壁を突き抜けるシーンで、実写とCGIの割合を考えるだけで膨大な時間を費やし、演じるレイチェル・ワイズの肉体をどんなマシンで引っ張るかを最後まで悩んだことを、ローレンスはインタビューで語っていた。改めてこのシーンを観る際は、過酷な撮影舞台裏に想像がふくらむ。



『コンスタンティン』(c)Photofest / Getty Images


 『マトリックス』などと比較すると、キアヌ・リーブスのアクション大作の中でこの『コンスタンティン』が特大ヒットを記録したとは言いがたい。2005年の年間興収ランキングは北米で29位、世界で15位、そして日本で17位と、良くも悪くもない成績。しかしキアヌ・リーブスは長年、もう一度コンスタンティンを演じることを所望してきた。そしてここ数年は本格的に始動の兆しがある。長い間、コミックの権利元との交渉で困難を極めていたが、2023年にフランシス・ローレンス監督がそこをクリアできたことを語った。そして2024年、完成した脚本がプロデューサーを務めるロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラに渡ったことが報じられた。しかし製作の正式なスタートはなかなかアナウンスされず、キアヌや監督ともども、続編を待ちわびるファンの心をやきもきさせている。


 キアヌ・リーブスのファンの中には、コンスタンティンこそ彼の最高の役だと賞賛する人も多いし、さらに作品の魅力として、半悪魔と戦うために使われるアイテムが挙げられる。十字架で作られた聖なるショットガン、ヨルダン川の聖水、神父のペンダント、ドラゴンの息、キリストを刺した槍……と、マニアックな心を刺激するこれらによってカルト的な人気も得たわけで、キアヌの肉体が動けるうちに少しでも早く新作続編を撮ってほしいと望んで止まない。



文:斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。



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