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『カプリコン・1』あの大物監督もNASAに加担した!?陰謀の宇宙映画史

(C)Capricorn One Associates 1978

『カプリコン・1』あの大物監督もNASAに加担した!?陰謀の宇宙映画史

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アポロ計画と映画の関係



 現実に月に行って中継まで行った以上、「アポロが月に行っていた」を再現した映画よりも、「アポロは月に行っていなかった」映画の方が面白くなりそうなのは確かだ。どんなに不鮮明な映像と心細い音声でも、アポロ11号で人類が初めて月面に降り立つ瞬間の本物の迫力には敵わない。VFXを駆使して鮮明に再現したところで、同じ興奮が得られるとは思えないからだ。


 実際、アポロ11号の人類史上初の有人月面歩行という偉業を、これまで正面から劇映画にしたことはない。『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(11)の様に、VFXを駆使してアポロ11号の月面着陸を再現した作品はあるが、月面中継が途絶した間、月の裏面に墜落していた異星人の宇宙船を調査するのが隠れた目的だったというアポロ陰謀論を絡めた作りになっていた。


 一方、「アポロは月に行っていなかった」ならぬ、〈月に行けなかった〉過程を描いた『アポロ13』(95)がアポロ映画の中では突出している。本来ならば事故によって月に到達できなかったアポロ計画の汚点のはずが、帰還困難な危機にあった宇宙飛行士たちを救出すべく英知を集め、無事に帰還させるところに映画ならではのドラマを見つけ出していた。


『アポロ13』予告


 アポロ計画が予定よりも早く打ち切りになったのは、莫大な費用がかさむ割に得られるものが少なかったからだが、そこに着目した『アポロ18』(11)は、17号で打ち切りになったとされていたはずが実は18号が存在し、密かに実行された月面探索の映像がNASAから流出したというフェイク・ドキュメンタリーである。最近はアポロ計画が月面で採取したものを始め、記録映像も紛失、消去が明らかになっていただけに、この設定はリアリティがあった。また、月面でソ連が秘密裏に着陸させた有人宇宙船を発見するという『第3の選択』にも通じる内容が盛り込まれていた。



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