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リュック・ベッソンが苦闘の末に完成させた『グラン・ブルー』を捧げた相手とは?

© Photofest / Getty Images

リュック・ベッソンが苦闘の末に完成させた『グラン・ブルー』を捧げた相手とは?

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『グラン・ブルー』あらすじ

伝説のフリーダイバー、ジャック・マイヨールをモデルに、深海を愛しイルカと対話する青年と親友の友情を描く。海とダイバーとイルカへの慈愛溢れる深海ファンタジー。



 映画人として長年培った嗅覚で『グラン・ブルー』の製作を申し出てきたハリウッドのタイクーン、ウォーレン・ベイティとの確執がようやく終焉を迎えようとしていた1986年。つまり、いざ映画の撮影が始まろうとしていた頃、リュック・ベッソンはさらなる難題に直面していた。何しろ、フィルムカメラで深海に潜り、気象状況によって目まぐるしく変化する潮の流れに適応しつつ、イルカと対話するフリーダイバーの姿を捉えなければならなかったのだから。念のため、映画製作に於いてデジタル撮影が部分的に導入されるようになるのは1990年代に入ってのことだ。


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クランクイン前の準備は完璧なはずだった



 幸い、ジャック役のジャン=マルク・バールは元々泳ぎが得意で、ダイビングの経験もあった。ベッソンはジャン=マルクとジャン・レノを伴い公営プールを訪れ、2人の泳ぎのスキルをチェックした後、コートダジュールとプロヴァンスの間にあるリゾート地、ラヴァンドゥで初の海中トレーニングに着手する。潜水時間と深さへの挑戦だ。1週目はジャン=マルクが1分半、ジャン・レノが1分10秒。2週目には2人とも海面下20メートルまで潜れるようになる。同時に、ベッソンの手元にはわざわざ日本に発注したネオプレン(合成ゴムの一種)製のダイビングスーツが到着。ダイバーで水中カメラマンのクリスチャン・ペトロンは、ベッソンのオーダーに応えて水中ビデオモニターを搭載したカメラを期日までに完成させる予定だった。



『グラン・ブルー』© Photofest / Getty Images


 準備万端。1987年5月、遂に撮影がスタートする。しかし、またも悪夢が待ち構えていた。ここからの経緯は書くのも辛いのだが、とりあえずお付き合い頂きたい。



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