2025.12.05
犯罪多発地区でロケを敢行!そこで起きた事件とは!?
この後ボイドは、さまざまな手がかりから、愛娘の居場所へと迫っていく。当然そこにも邪魔は入り、後半もスリリングな展開は続く。そこは観てもらうとして、本作の魅力の核心について話を進めていきたい。
それは何と言っても、ニューヨークの市街地で全編にわたりロケが行なわれたこと。ジョギングを楽しむ人々が走りすぎるセントラルパークで事件は起こり、主人公ボイドはジョギングのランナーたちよりも速いスピードで走り、犯人ソルティックの車を追いかける。その後のカーチェイスもセントラルパークの脇で撮影され、つごう37台の車が10分ほどのシーンの撮影のために破壊されたという。

『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』©1980 GCC Films, Inc
ニューヨーク42丁目は現在でこそタイムズスクエアを擁する街随一の観光街だが、映画が作られた頃は風俗店街として悪名を馳せていた。ボイドはそこにある覗き部屋で、ソルティックにつながるヒントを得るのだが、追ってきたバーンズにショットガンで撃たれかける。これも実際に現地でゲリラ的に撮影され、何も知らない通行人が警察に通報したほどリアルなものだった。
犯人のソルティックの拠点サウス・ブロンクスも、実際に現地で撮影されたが、ここは当時、ニューヨークでもっとも治安の悪い街と言われていた。よそ者を歓迎しない地元の住民にカメラを2台壊されたうえに、プエルトリコ移民との乱闘も発生したことから、撮影隊は警官立ち合いのもとで撮影を続けることになったという。