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『ジャグラー/ニューヨーク25時』ニューヨークの街のエネルギーにあおられる1980年代の伝説

©1980 GCC Films, Inc

『ジャグラー/ニューヨーク25時』ニューヨークの街のエネルギーにあおられる1980年代の伝説

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主演は、ハリウッドの第一線で活躍する、あの人気俳優の父親!



 これらの必死の撮影によって収められたのが都市の息吹だが、こんなにも生々しい息吹を感じさせる作品はない。本作が製作された1980年前後はニューヨークを舞台にしたサスペンスアクションが多数誕生している。ストリートギャングの生態を描くウォルター・ヒル監督の『ウォリアーズ』(79)や、ハードゲイの世界にスポットを当てたウィリアム・フリードキン監督の『クルージング』(80)は、主に夜のアンダーグランドシーンにスポットを当てていたが、白昼のニューヨークをまざまざと見せつけた点で本作は新鮮だった。


 ジョン・カサヴェテス監督のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作『グロリア』(80)や、ポール・ニューマンを主演に起用した刑事アクション『アパッチ砦・ブロンクス』(81)がこれに続いてブロンクスにカメラを向けたが、ピリピリした街の空気感をとらえている点で、本作は先駆といえるだろう。



『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』©1980 GCC Films, Inc


 主人公ボイドにふんするのは『カプリコン・1』(77)のジェームズ・ブローリン。現在は息子のジョシュ・ブローリンが俳優としてハリウッドの第一線で活躍している。監督のロバート・バトラーは、この後TVでの活動が多かったが、キャリアの末期には『乱気流/タービュランス』(97)で、小気味よいアクションの演出をみせてくれた。


 誘拐発生の朝から、最終決戦の夜まで、物語は快調なテンポで展開。そして人々の生命力が充満するニューヨークという猥雑な街は、まさにもうひとつの主役と言っても過言ではない。埋もれさせるには惜しいエンタテインメント快作のエネルギーを、ぜひ体感して欲しい。



文:相馬学

情報誌編集を経てフリーライターに。『SCREEN』『DVD&動画配信でーた』『シネマスクエア』等の雑誌や、劇場用パンフレット、映画サイト「シネマトゥデイ」などで記事やレビューを執筆。スターチャンネル「GO!シアター」に出演中。趣味でクラブイベントを主宰。



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作品情報を見る



『ジャグラー/ニューヨーク25時 4K修復版』

シネマート新宿ほか全国順次ロードショー中

配給:ザジフィルムズ

©1980 GCC Films, Inc

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