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『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナンが女優として、作り手として、自分自身を捧げた渾身作

© 2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights

『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナンが女優として、作り手として、自分自身を捧げた渾身作

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原作に縛られ過ぎず、創造性豊かに主人公を描く



 映画化のきっかけは、コロナ禍にジャック・ロウデンが一冊の本に感銘を受け、「これが次に演じるべき役だ」とローナンに薦めたこと。その言葉に導かれるように、彼女は主人公の物語と詩的な文体に魅了され、それをどう映像化できるのか、俳優としてどんなことに貢献できるのかと、考えることに夢中になったという。慣れ親しんだ映画界でいつか演技以外の仕事にも挑戦してみたいと感じていた彼女にとって、これはまさに運命的な出会いだった。


 プロデューサーと言っても実務的なものから名前だけのものまで様々なタイプがあるが、ローナンは初期段階からクリエイティヴな面で大いに貢献した。


 まずはローナン、ノラ・フィングシャイト監督、原作者で、本作の脚本にも関わったエイミー・リプトロットとの間で幾度もオンラインで打合せを重ね、彼らは原作に縛られることなく、より自由な発想で映画を創り出すためにも、主人公の名前を「エイミー」ではなく別のものに変えることを決める。



『おくびょう鳥が歌うほうへ』© 2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights


 その結果、「ロナ」という名前に決まるわけだが(おそらく「ローナン」という響きの理由だろう)、こうした試みからも主人公の人物像は、どの一人が欠けても成り立たない、3人のクリエイターの思いが一体化して生み出された結果だったことが伺える。


 いざカメラが回ると、そのキャラクターに最終的な命をもたらすのはローナンの使命だ。実のところ本作の脚本は最小限のセリフと各シーンで何をすべきかを簡潔に説明したもので、その役をいかに演じるかはローナンの即興性に委ねられる部分が大きかった。このような手法で演じるのは彼女にとっても経験がなく、かつてない解放感を味わいながらの撮影だったという。





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