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グレタ・ガーウィグとシアーシャ・ローナン。二人で築き上げた『レディ・バード』の役作り

グレタ・ガーウィグとシアーシャ・ローナン。二人で築き上げた『レディ・バード』の役作り

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観客に「これは私の映画だ!」と感じさせる青春映画の傑作



 誰にでも故郷がある。それは後から振り返った時、自分の人生をいつまでも支えてくれるかけがえのない存在。けれど思春期を駆け抜ける過程では、故郷との相性が最悪になる時だってある。うまくいかない全ての原因を親や環境のせいにしたり、そこから抜け出せば、これまでと180度違う自分になれるような幻想を抱いたり・・・。


 映画『レディ・バード』に触れた多くの人が、男女差や年齢差を問わず「これは私の映画だ!」と目を見開かずにいられないのは、これら通過儀礼ともいうべき思考の流れが痛いほど伝わってくるからなのだろう。本作で監督デビューを飾ったグレタ・ガーウィグの故郷、カリフォルニア州サクラメントの様子が詳述されるにつれ、その具体性はどういうわけか観客それぞれが歩んできた個々の人生とも共鳴し「こんな経験、私にもあった・・・」と遠い目をして追想せずにいられなくなるのだ。




 これほど濃厚な香りを放つ作品だけに、我々はつい「きっとガーウィグの半生が映画のベースとなっているのだろうな」と解釈してしまいがちだ。監督・脚本を手がけた彼女によると、具体的なエピソードに関しては何一つ自身と重なるところはないらしい。親との関係があれほどこじれることもなければ、髪を赤く染めることもなかったそう。


 だが、ところどころに符号はある。グレタの母の名前がクリスティンだったり、母がかつて従事していた仕事も看護師だったり。そして何よりも強く意識せずにいられないのが、これまでグレタが演じてきた役柄との共通性だろう。というのも、本作のレディ・バード=クリスティンは、グレタの代名詞ともいうべき「時に空回りしながらも、自分の理想をとことん追求していくヒロイン像」と強烈なまでに重なって見えるのだ。


 とはいえ、今回の彼女は監督と脚本に徹しているため、若きヒロインを自ら演じることはできない。そこでグレタの分身ともいえる主演に抜擢されたのがシアーシャ・ローナンだ。グレタとシアーシャ。俳優としてはかなりタイプが異なるようにも思えるが、本作では何よりもこの二者が、類稀なるケミストリーを生み出した。



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