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  4. 『俺たちのアナコンダ』人生に追われ、巨大ヘビにも追いかけられるーー絶対に諦めきれない中年たちの現実とメタファー挟み撃ちコメディ
『俺たちのアナコンダ』人生に追われ、巨大ヘビにも追いかけられるーー絶対に諦めきれない中年たちの現実とメタファー挟み撃ちコメディ

『俺たちのアナコンダ』人生に追われ、巨大ヘビにも追いかけられるーー絶対に諦めきれない中年たちの現実とメタファー挟み撃ちコメディ

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メタファーが現実となって襲い来るとき



 グリフやダグは私と同世代。いわゆるミドル・エイジ・クライシスに苦しむ年頃だ。そんな40代後半から50代前半の人にとって『アナコンダ』(97)は、自分がもっとも多感で根拠のない自信に満ち溢れていた時代の映画に違いない。間違っても激賞されるようなクオリティの作品ではないが、ジョン・ヴォイドの怪演も含めてインパクトだけは計り知れないものがあった。


 そして今回の新作において、どんなアクションやコメディシーンよりも画期的で目を引くのは、グリフが『アナコンダ』を人生に例えてみせるところだろう。


 昔は、なんらかの夢に向かって果敢に突き進んでいた自分。しかしいつの間にか年齢や成長や社会的責任という大蛇に追われ、今ではすっかり体半分を飲み込まれてしまっている。そう、アナコンダは誰しもに共通する通過儀礼的な存在でもあるのだ。



『俺たちのアナコンダ』


 中年になったダグたちは精神的大蛇から這い出すような気分で映画作りに向かうが、次々とトラブルが覆いかぶさる。挙げ句の果てには、アマゾンで絵に描いたような大蛇によって行手をふさがれーー。


 どうだろう。もうこの時点で、なんとも抗いがたいノスタルジー&映画愛たっぷりの魅力が感じられるのではないだろうか。


 とはいえ、これはあくまでジャック&ポールが織り成すコメディゆえ、くだらなさに振り切れた内容であることは覚悟しておきたい。期待値のハードルをやや下げて、鼻歌まじりで気楽に臨むくらいがちょうどいいのかも。


 ちなみにジャック&ポールは、どちらも脚本を読んだ折にどういうわけか双方が自分のことをダグ役だと思い込んでいたらしく、最終的にはジャックが「僕が監督役でなきゃ。俳優役なんてできないよ。ほら見て!、ちっとも俳優っぽくないだろ?」と口にして納得を得たとか。ゴーミカン監督的にも、これまでの世間の認識の真逆をついて、ジャックがストレートなツッコミ役、ポールが状況をかき乱すオトボケ役を演じることで新鮮な化学反応が生まれるのでは、という打算があったようだ(*2)。





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