その瞬間、本作は完成したーー
また、詳述は避けるが、本作には「画竜点睛」ともいうべきシーンが存在する(ご覧になった方の誰もがすぐにピンとくるはず)。
実はメイン撮影の終了が2025年2月だったのに対し、この追加撮影が行われたのは同年11月。翌月にはもう全米で劇場公開を迎えていることを考えると、本当に常軌を逸するほどのギリギリのスケジュールで調整し、最終撮影に挑み、編集でシーンをぶっ込んだことが伺える。
この実現に向けては、最終的に当人からゴーミカン監督に向け「オリジナル版を笑いの種にしているの?」という質問が投げかけられた。ゴーミカンは「とんでもない!これはあの映画へのラブレターなんです」と答え、オリジナル版が本作内でいかに扱われるのか説明したところ「わかった、出演する」と決まったいう(*3)。この件、冒頭に紹介したニコラス・ケイジのケースと少し似ていて、私はちょっと笑ってしまった。

『俺たちのアナコンダ』
メタフィクションの常として「どう締め括るか」は作品のトーンを決定づける大事な要素となる。その点、観客の誰もが望んでいた決定的瞬間をきちんと捉えたことで、本作はまさに自らの役目を見事に全うしたと言えるだろう。
今はオリジナルのコメディ映画が作りにくい時代とよく言われる。そんな中、ゴーミカンのように既存の価値をアイディア豊かに調理し、なおかつ他のジャンルと絶妙にミックスさせて無二のコメディを生み出す才能は貴重だ。この先、どんな新たな味わいをもたらしてくれるのか、引き続き期待したいものである。
参考、引用記事URL:
1977年、長崎出身。3歳の頃、父親と『スーパーマンII』を観たのをきっかけに映画の魅力に取り憑かれる。明治大学を卒業後、映画放送専門チャンネル勤務を経て、映画ライターへ転身。現在、映画.com、EYESCREAM、リアルサウンド映画部などで執筆する他、マスコミ用プレスや劇場用プログラムへの寄稿も行っている。
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『俺たちのアナコンダ』
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配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント