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『Michael/マイケル』スーパースターの光と影、その「光」を求めて

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『Michael/マイケル』スーパースターの光と影、その「光」を求めて

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伝説を作った瞬間を完璧なダンスで再現



 多くの人が歓喜するという意味で、アルバム「スリラー」からの3曲のシーンが、本作のハイライトなのは間違いない。「今夜はビート・イット」、「スリラー」の2曲、特に後者はMV(ミュージック・ビデオ)を革新したことで知られ、その撮影舞台裏を、マイケルの甥、ジャファー・ジャクソンが完コピに近いダンスで再現していく。マイケルとジャファーは多少、肉体と手脚のバランスが違うものの、「ビート・イット」での腰を前後に動かしながら全身をスライドさせる独特の振付や、「スリラー」におけるゾンビダンスでの細部にわたる腕や脚の角度など、これ以上は望めないほどの完璧さ。


 「スリラー」を現場で監督したジョン・ランディスもそっくりの俳優で登場するし、映画ファンにとっては「スリラー」のMVに至るまでに、マイケルが『蠅男の恐怖』(58)、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)、『肉の蝋人形』(53)の映像に陶酔するシークエンスに興奮をおぼえるはず。人間から他種への変身が『蠅男の恐怖』、ソンビ化が『ナイト・オブ〜』、ヴィンセント・プライスのナレーション採用が『肉の蝋人形』と、インスピレーションの源も手に取るようにわかる。本来、「スリラー」MVでは、ジョン・ランディス監督、特殊メイクのリック・ベイカーの起用から、最大のヒントが『狼男アメリカン』(81)とされるが、同作のクリップは権利の問題からか使われていない。



『Michael/マイケル』®, TM & © 2026 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.


 そして「スリラー」からのもうひとつの大ヒット曲「ビリー・ジーン」は、伝説となった「モータウン25(モータウン25周年記念番組)」で再現される。マイケルの代名詞ともいえるムーンウォークがステージで披露され、会場が熱狂の渦に包まれるのだが、ここでもジャファーの動きはマイケルと比べて遜色がない。興奮する観客たちの映像も、当時(1983年)の雰囲気を完璧に甦らせ、そのあたりもノスタルジーを喚起する。


 この「スリラー」からの3曲の部分では、やはり実際の時系列との食い違いもみられる。アルバム「スリラー」から2番目のシングルカットとなったのが「ビリー・ジーン」で、「スリラー」はアルバム発売から約1年後の7番目のシングル。MVも基本的にその順番で発表されたのだが、『Michael/マイケル』では「スリラー」撮影の後に、マイケルがMTVに「ビリー・ジーン」のMVを流すように申し入れるシーンが出てくる。おそらくドラマの流れを考慮した編集なのだろう。




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