1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. エルヴィス
  4. 『エルヴィス』何度も描かれてきたアイコン。バズ・ラーマンが自らの嗜好でその深部に迫る
『エルヴィス』何度も描かれてきたアイコン。バズ・ラーマンが自らの嗜好でその深部に迫る

(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

『エルヴィス』何度も描かれてきたアイコン。バズ・ラーマンが自らの嗜好でその深部に迫る

PAGES


『エルヴィス』あらすじ

奇抜なヘアスタイルと衣装で観客の度肝を抜き、センセーショナルなライブパフォーマンスと他の誰も真似できない圧倒的な歌唱で若者たちを熱狂させるエルヴィス・プレスリー。彼の名声はまだ保守的だったアメリカに瞬く間に響き渡る。しかしその一方で、彼は非難され、中傷の的になり警察の監視下に置かれる。


Index


傑作だった1970年のドキュメンタリー



 歴史に残るアイコン的存在が、映画の題材となる。これは必然の流れだが、エルヴィス・プレスリーも、これまで数多くの映画にその姿が刻印されてきた。


 1935年に生まれ、1950年代にミュージシャンとして世界中で熱狂的な人気を誇り、映画界にも進出。1977年、42歳の若さで亡くなったエルヴィスは、音楽や映画という枠を超え、カルチャーとしてのひとつのアイコンとなった。



『エルヴィス』(C)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved


 エルヴィス自身が残した映画としては『G.I.ブルース』(60)、『ブルー・ハワイ』(61)、『ラスベガス万才!』(64)などの主演作が挙げられるが、彼のヒット曲とともに語られるケースが多く、名作として記憶されているとは言い難い。むしろ高く評価されたのが、1970年(日本は翌71年公開)の『エルビス・オン・ステージ』だったりする。自身でも俳優としての活躍に限界を感じていたのかもしれない。映画の契約が終了したのを機に、ミュージシャンとしての公演に集中した時期(1970年の8月)に行われた複数のライブ公演を中心に、インタビュー、リハーサル風景、ファンの熱狂などを収めたこの作品は、エルヴィスの復活への思いが込められたカリスマ的パフォーマンスに心が揺さぶられる。


 アメリカとカナダ以外で公演を行わなかったエルヴィスなので、現在のようなネット動画も存在しない時代に、このドキュメンタリー映画は日本を含めて世界中で話題となった。この作品の成功によって、2年後に同種の映画『エルビス・オン・ツアー』も作られるが、こちらはエルヴィスの衰えも目立ち、明らかに二番煎じ的な作品となってしまった。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. エルヴィス
  4. 『エルヴィス』何度も描かれてきたアイコン。バズ・ラーマンが自らの嗜好でその深部に迫る