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『シラート』荒々しい大地と己の内面が融合、“深淵”を臨む究極体験

© 2025 LOS DESERTORES FILMS, A.I.E., TELEFÓNICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.,FILMES DA ERMIDA, S.L., EL DESEO DA, S.L.U., URI FILMS, S.L.,4A4

『シラート』荒々しい大地と己の内面が融合、“深淵”を臨む究極体験

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己の内面と向き合うこと



 おそらく本作に小難しい説明や理由づけは不要だ。観客一人一人が己の本能のまま、この映画を浴びるだけでよい。それが無二の体験となり血や肉となり、あとは拒絶するなり、吸収するなり、熱狂するなり、反応は千差万別で全く構わない。あらゆる装飾を削ぎ落としたかのようなオリベル・ラシェ監督の作風からは、そんな揺るぎないオープンな姿勢がほとばしる。


 しかしあえて蛇足を覚悟で文脈を読み解こうとするならば、そこに描かれているのは、いま私たちが日々直視せぬまま曖昧にしている感覚そのものだろう。



『シラート』© 2025 LOS DESERTORES FILMS, A.I.E., TELEFÓNICA AUDIOVISUAL DIGITAL, S.L.U.,FILMES DA ERMIDA, S.L., EL DESEO DA, S.L.U., URI FILMS, S.L.,4A4


 技術革新、情報氾濫、政治や社会の状況、自然災害、そして戦争をはじめ、圧倒される要素があまりに多い現代。目を覆うようなひどい事態が刻一刻と更新され、人々が直接的、間接的に被った傷の深さは計り知れない。世界の状況は収束に向かうどころか、明るい兆しは見えぬまま、これからますます予測不能性を増すだろう。


 そんな混沌の真っ只中で、本作は切々と「己の内面と向き合う」ことを促しているかのように思える。それも、複雑な関係性やイデオロギーや政治的主張を全て捨て去り、一見、形而上学的にすら思えるほどのシンプルな舞台装置のもとで、集団を個人へ解体していくのである。




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