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日本ではDVDスルー!エドガー・ライト笑撃のデビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』が生まれた理由とは

© Photofest / Getty Images

日本ではDVDスルー!エドガー・ライト笑撃のデビュー作『ショーン・オブ・ザ・デッド』が生まれた理由とは

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新世代コメディの先陣を切る



 エドガー・ライトは、この後もペッグ&フロストと組み『ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!』(07)、『ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!』(13)を連打。やはりオタク的な要素を含んだ、この2作は『ショーン・オブ・ザ・デッド』を含めて、劇中に登場するアイスクリームの名から“スリー・フレーバー・コルネット三部作”として広く知られるようになった。


 ちなみにライトは『ベイビー・ドライバー』で、音楽のビートとアクションを一体化させるミュージカル的なアクション演出に挑んだが、『ショーン・オブ・ザ・デッド』ではその萌芽を見ることができる。オープニングクレジットの際の人々の動きが、音楽のリズムと合っているのはもちろん、カーチェイスの場面や、クイーンの曲に合わせてビリヤードのキューでゾンビを殴る場面などが、それだ。


『ベイビー・ドライバー』予告


 『ベイビー・ドライバー』の成功後、彼がどこに向かうのか注目されたが、知る人ぞ知るベテランのロック・ユニット、スパークスのドキュメンタリーを新作として選び、2018年夏のスパークス来日公演にも同行。東京・渋谷クアトロ公演では、開演前にカメラマンに指示を送る彼の姿が目撃されている。ともかく、音楽オタクな志向性は失われていないようだ。


 『ショーン・オブ・ザ゛デッド』はイギリス映画だが、ハリウッドでもこの後男同士のオタクなセリフを含むコメディが人気を博すようになる。『40歳の童貞男』(05)や『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)、『テッド』(12)はその好例。このような新世代のコメディは“ブロマンス”という新たなジャンル名を得て、世に浸透した。それらの先陣を切った作品としても、『ショーン・オブ・ザ・デッド』は記憶されるべきだろう。




文:相馬学

情報誌編集を経てフリーライターに。『SCREEN』『DVD&動画配信でーた』『シネマスクエア』等の雑誌や、劇場用パンフレット、映画サイト「シネマトゥデイ」などで記事やレビューを執筆。スターチャンネル「GO!シアター」に出演中。趣味でクラブイベントを主宰。



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