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『ベイビー・ドライバー』カーアクションとミュージカルがまさかの融合!画期的なアイデアに刻まれた、80年代音楽映画の影響とは!?

『ベイビー・ドライバー』カーアクションとミュージカルがまさかの融合!画期的なアイデアに刻まれた、80年代音楽映画の影響とは!?

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『ベイビー・ドライバー』あらすじ

天才的なドライビング・テクニックを買われ、ギャングのボス、ドクの下で“逃がし屋”として働く青年ベイビー。幼い頃の事故で両親を亡くし、自身もその後遺症で耳鳴りに悩まされている。そのためiPodが手放せず、常にお気に入りのプレイリストを聴き続けていた。すぐにキレる狂暴なバッツはじめコワモテの連中を乗せても顔色一つ変えず、クールにハンドルを握るベイビーは、音楽を聴くことで集中力が研ぎ澄まされ、誰にも止められないクレイジーなドライバーへと変貌するのだった。そんなベイビーが、ウェイトレスのデボラと出会い、恋に落ちる。そして彼女のために、この世界から足を洗おうと決意するベイビーだったが…。


Index 


音楽とアクションが同期する新感覚ミュージカル



 誰もがその男をBabyと呼ぶ。その理由は彼が年端のいかない青年だからか。詳しいところはわからない。本名も定かではない。そんな彼はDoc(ケビン・スペイシー)が取り仕切る強盗チームの運転担当だ。彼の役割は犯行を終えたばかりのメンバーを逃すこと。今日もまた追いかけてくる無数のパトカーから逃れるべく、Babyの驚異的なドライビング・テクニックが炸裂する。きっかけとなるのはiPodから流れる音楽。このリズムとメロディに全ての動きをユニゾンさせることで、車が舞うように道路を滑走し、小刻みにステップを効かせながらあらゆる状況を味方につけることができるのだ――――。


 かくも音楽に乗せて動きが同調するという、まるでカーアクション版『ラ・ラ・ランド』のごとき映画。それがエドガー・ライト監督作『ベイビー・ドライバー』である。人は往々にして、音楽に合わせて登場人物が歌ったり踊ったりするものを“ミュージカル”と呼ぶが、実際にはその明確な定義なんてどこにも存在しない。そこに音楽があって、それに合わせて体が、車が、リズミカルに躍動するのであれば、それもまた立派なミュージカル。これはカーアクションと音楽が融合した、常識を覆すミュージカル映画なのである。


『ラ・ラ・ランド』予告


 アクションだけではない。オープニングのタイトルバックではBabyが生身の身体で人数分のコーヒーをテイクアウトするというシーンがワンテイクの長回しで描かれる。ここもまた、主人公が音階を巧みにアップダウンするかのような軽妙さに満ちていて、必見のシーン。エドガー・ライト監督とその一味はこの撮影で実に30回近くもテイクを重ねたらしいが、そのことが十分にうかがえる非常に楽しい場面に仕上がっている。



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