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『バックルームズ』デジタル世代が真に怖いものを追求したA24ホラー

© 2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.

『バックルームズ』デジタル世代が真に怖いものを追求したA24ホラー

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無機質で不気味な“リミナル・スペース”の恐ろしさ



 本作の恐怖のベースとなっているのは、リミナル・スペースと呼ばれる空間。これは、本来ならば人がいるはずなのに、誰もいない無人の空間のこと。例えば、深夜の学校やオフィス。映画ならば、『シャイニング』(80)における閉鎖された雪山のホテルの廊下。『8番出口』(25)で描かれた、誰もいない地下鉄の通路も然りだ。人であふれている時間の光景は見慣れているが、それだけに誰もいないと妙に無機質で、ある種の異様な空気が漂う。本作のバックルームには、そんなリミナル・スペースの異様さが恐怖となって脈づいている。加えて、音の面の演出も異様なムードを醸し出す大きな要素。“ブーン”という蛍光灯の電子音が終始鳴り響き、居心地の悪さを感じさずにおかない。


 映画の後半では、バックルームがどんな空間であるのかが、少しずつ明かされる。消息を絶ったクラークを尋ねて、家具店を尋ねた女性セラピスト、メアリー(レナーテ・レインスヴェ)はあの壁を発見し、バックルームへと迷い込む。そこでクラークと再会を果たすも、彼はここから出る気はないと言い放った。それどころかメアリーを拘束して、この空間で遭遇した、信じられないような出来事を語り出す。ネタバレを避けたいので抽象的な表現になるが、バックルームはそこに入り込んだ者の、心の奥底に潜むトラウマをえぐり出すような空間だった。この後の彼らの運命は、その目で見届けて欲しい。



『バックルームズ』© 2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC.  All Rights Reserved.


 本作はモンスターやゴースト、シリアルキラーがわかりやすいかたちで登場するようなホラーではない。オカルトといえばオカルトだが、その実態を把握するには、観客の側が思考を働かせる必要がある。全米では本作の公開後、さまざまな考察がネット上で繰り広げられ、大なり小なりの論争を引き起こした。大ヒットの理由は、そんな熱狂的なファンやリピーターに支えられたからでもある。ガラクタと化した家具の山、文字が反転した交通標識、鳥の死骸、音声装置付きの人型看板など、なぜそこにあるのかすぐには理解できないアイテムが、ガランとしたバックルームに放置されているが、それらも考察の対象として興味深い。





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