2026.08.17
『オークストリートの異変』あらすじ
平和な街オークストリートで、平凡な暮らしを送るプラット家。しかしある日を境に、街では不思議な現象が発生。ついには水道や電気が止まり町は断絶状態に。さらに、絶滅したはずの恐竜が街中に出現し住民を襲いはじめる。はたして家族は、襲い掛かる様々な恐竜から逃げ延び、異変から脱出することが出来るのか?
Index
メジャー進出で試される、監督のマニアックな魅力
ハリウッドに活躍の場を求める映画監督の多くは、メジャースタジオで好きな作品を潤沢な製作費で撮ることを夢みるだろう。突発的に才能を認められ、大作を任されるケースもなくはないが、通常はインディペンデント会社の下で低予算で撮った作品が何本か評価され、メジャーへ進出するのが一般的。その際、もともとの監督としての独創性、好きなジャンルを貫き通す姿勢も重要だ。中には、映画を撮る“職人”と割り切って、個性を封印する人もいるが……。
カルト的なインディペンデント作品から、やがて巨匠の地位にシフトした例といえば、『死霊のはらわた』2作(81、87)→『スパイダーマン』シリーズ(02~07)のサム・ライミ、『ブレインデッド』(92)→『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01~03)のピーター・ジャクソンなどが挙げられ、ブロックバスターとなる大作を任されても、自身の作風、やりたい方向性を忘れないという点で、映画監督のキャリアとして理想的なアップデートと言える。ギレルモ・デル・トロなどは、そのオタクな味をメジャースタジオ側が“利用”している節(ふし)もある。

『オークストリートの異変』© 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
その意味で注目したいのが、デヴィッド・ロバート・ミッチェルだ。呪いが“感染”するという斬新なホラーの長編2作目『イット・フォローズ』(14)が大絶賛され、A24と組んだ3作目の『アンダー・ザ・シルバーレイク』(18)は、ポップカルチャーへの目配せも濃厚なネオノワール・ミステリーとして高評価を得た。このようにマニアックな作風を出し切れるインディペンデント作品でキャリアを積んできたミッチェルが、4作目の『オークストリートの異変』(26)をメジャーのワーナー・ブラザースの下で完成。サム・ライミやピーター・ジャクソンら巨匠の道筋と重ねたくなる。
『オークストリートの異変』は、劇場公開時期(8月)からわかるように、サマームービーらしい仕様の作品である。アメリカの典型的な郊外の生活に、突如として恐竜が出現。主人公一家を中心に住民たちのサバイバルが展開される。ジャンルを示せば、SFモンスターパニック。アン・ハサウェイ、ユアン・マクレガーとキャストもメジャー級だ。