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『バックルームズ』デジタル世代が真に怖いものを追求したA24ホラー
YouTuber出身の新鋭たちがホラーを変える!?
オリジナルのYouTube動画シリーズで本作の世界観はできていたとはいえ、ケイン・パーソンズの映画監督としての才能は未知数。そこでA24は強固なバックアップ体制を敷いた。『デッドプール&ウルヴァリン』(24)のショーン・レヴィ監督率いる21ラップスや、『死霊館』シリーズでおなじみのジェームズ・ワン監督の制作会社、アトミック・モンスターを制作に招聘。また、プロデューサーのひとりである『ロングレッグス』『KEEPER/キーパー』のオズグッド・パーキンス監督は撮影時、スタジオでケインと密に仕事をした。パーキンスは頼もしいメンターとなったと、ケインは後に振り返っている。
それにしても、YouTube出身のクリエイターによるホラー映画への進出と、彼らが生んだ作品のクオリティの高さが、このところ目立っている。『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』(22)で長編映画デビューを果たしたオーストラリアの双子、ダニーとマイケルのフィリッポウ兄弟は、『ブリング・ハー・バック』(25)で気を吐いた。『シェルビー・オークス』(24)のクリス・スタックマン、そして今年『バックルームズ』以上の全米興収を計上した『オブセッション 災愛』(25)のカリー・バーカーも忘れてはいけない。

『バックルームズ』© 2026 Backrooms Rights LLC, PC Films, LLC. All Rights Reserved.
面白いことに、これらの監督が昔から大の映画ファンで、もちろんホラー好きでもあるのに対して、パーソンズはそれほどではないことを率直に認めている。お気に入りの映画のリストを作れるほど、ホラーを観てはいないとのこと。『バックルームズ』にしても、発想の大元はネットに投稿されたリミナル・スペースの画像で、これを元にしてパーソンズはYouTube動画を作り出した。怖いと思えるものを、映画ではなくネットの世界から吸収したという点では、まさしくデジタルの時代を生きる新世代。ひょっとしたら彼のような存在が、新しいホラー映画の波を起こしていくのかもしれない。そういう意味でも『バックルームズ』は必見作である。
文:相馬学
情報誌編集を経てフリーライターに。『SCREEN』『DVD&動画配信でーた』『シネマスクエア』等の雑誌や、劇場用パンフレット、映画サイト「シネマトゥデイ」などで記事やレビューを執筆。スターチャンネル「GO!シアター」に出演中。趣味でクラブイベントを主宰。
『バックルームズ』
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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