(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
『アリータ:バトル・エンジェル』サイバーパンク、戦うヒロイン。『銃夢』とキャメロンの親和性から生まれた ※注!ネタバレ含みます。
2019.03.01
名前とタイトルをめぐって
映画本編の内容に入る前に、主人公の名前と作品タイトルの変更について押さえておきたい。
『銃夢』の主人公の名はガリィだが、最終章「TUNED編」に出てくる仮想現実システムの中ではALITA(アリタ)と名付けられる。英語版の出版に際し、ガリィの英字表記Gallyが「浸食でできた峡谷、溝、下水」を意味するgullyと発音が近いため、英語圏の読者に印象がよくないという理由でAlitaに変更された。スペイン語圏でAlitaは「小さな翼」「選ばれし者」といった意味を持つ。
『アリータ:バトル・エンジェル』(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
英語圏で出版されたコミックのタイトルは『Battle Angel Alita』。これが映画化に際して『Alita: Battle Angel』に変更されたのにも、ちゃんと理由がある。実はキャメロン監督作の英題には“TとAのルール”があり、『The Terminator』(ターミネーター)、『Aliens』(エイリアン2)、『The Abyss』(アビス)、『Terminator 2: Judgment Day』(ターミネーター2)、『True Lies』(トゥルーライズ)、『Titanic』(タイタニック)、そして『Avatar』(アバター)といった具合に、ほぼすべてTかAで始まっているのだ(ドキュメンタリー映画などで数本の例外あり)。当初は自ら監督するつもりだった本作についても、自身の刻印としてAから始まるタイトルになるよう、語順を変更したのだった。